第46話 目に余る「問題行動!」と切り捨てし専門家気取りの言動をうれふ
「目に余る『問題行動!』と切り捨てし専門家気取りの言動をうれふ」―。
年のせいか、介護のベテランを自認する方々が口にする「問題行動」という(上から目線の)響きが気になる。
介護者が困るからといって「問題行動!」と切り捨てるのは如何なものか?
ボケ老人の心に寄り添うことを「きれいごと!」と断じてよいのだろうか?
◇
誰だって年を取る。
後期高齢者になんなんとする今、ボケ老人を他人事とは思えない。
「子ども叱るないつか来た道、年寄り笑うないつか行く道」という。
◇
いくら「ボケた」とはいえ、決して問題を起こしたくて訳の分からない行動をしている訳ではない。
不安な状態を何とか周りに訴えたい、と本人が一番困っている状況なのだ。
◇
これを欧米では「チャレンジング行動」と呼ぶ。
そこに弱者を見下す視点はない。
社会全体で「弱者と同じレベルに立とう」とする姿が見える。
そのうえで適切なサポートを工夫する、という何とも優しい社会だ。
◇
周りを見回すと「青信号で横断歩道を渡り切れない」とか「バスの乗り降りが大変だ」とか、既に高齢者からは諦めも聞こえる。
「明日は我が身」の一言を介護の業界人へ贈りたい。
(20220914)
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