第44話 草の露白き候なり我が庭に小さき花ども競ひて咲けり

「草の露白き候なり我が庭に小さき花ども競ひて咲けり」―。


 白露の候、朝夕の涼しさが際立ち、庭草に露を結ぶ本格的な秋である。


 これから秋の深まりにつれ、秋の七草(萩、桔梗、葛、藤袴、女郎花、尾花、撫子)も咲くだろう。

 五七五調で「ハギ・キキョウ、クズ・フジバカマ、オミナエシ、オバナ・ナデシコ」と読む。


     ◇


 手元にある『日本の七十二候を楽しむ―旧暦のある暮らし―』をめくると…。

「日本には、春夏秋冬の四季だけでなく、二十四節気や七十二候という季節があり、旧暦をもとに暮らしていた時代には、人はそうした季節の移ろいをこまやかに感じとって生活していました」―。


     ◇


 旧暦とは太陰太陽暦のことで、明治五年(1872年)に『改暦の詔書』が出されるまで使われていたそうだ。


 月日は(新月の日が一日になるよう)月の満ち欠けによる太陰暦で定められていた。


 二十四節気は、太陽暦の立春から始まり、春分・夏至・秋分・冬至(二至二分)で季節の盛りを迎え、大寒で一年を締めくくられる。


     ◇


 平成31年1月26日から始めた「一日一首」だが、何を詠もうか悩む時もある。


 そんな折に眺めるのが机上の『日本の七十二候を楽しむ』だ。白井明大(文)有賀一広(絵)の両氏に感謝!


(20220912)

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