第30話 感謝状に南三陸町長の笑顔を想ふ。ピグマリオン効果も

「感謝状に南三陸町長の笑顔を想ふ。ピグマリオン効果も」―。


 佐藤仁町長には、司馬遼太郎が『新史太閤記』で豊臣秀吉に使った「人蕩(たら)し」という表現が似合う。


 その気にさせられてしまい、気づけば約3年間も夫婦で南三陸町に暮らした。


 当時の感謝状は書斎に飾ってある。


 蛇足ながら、ピグマリオン効果とは「他者から期待されると成績が向上する現象」を言う。


     ◇


 震災後の〈非常時モード〉で迅速な対応だったのが、宮城県の公立南三陸診療所。


 ―佐藤仁町長にフェィスブックでメッセージを送ったところ、約1ヶ月で「レディース外来」が開設された。


 当初は婦人科診療だけだったが、石巻赤十字病院の産科セミオープンシステムに参加し、妊婦健診を地元でも受けられるようにした。


 これに伴い、レディース外来担当による「助産師外来」も始められた。


     ◇


 震災のあと医療支援を続けて感じたのが〈平常時モード〉のまま対応していた地域での問題の多さだ。


 ピグマリオン効果の反対の現象を「ゴーレム効果」と言う。

 自分が期待されていないと感じればモチベーションも低下する。


 期待のかけられ方でヤル気は変わることを実感した。


 被災地の医療支援でリーダーの在るべき姿を学んだ。

 頑張れ、仁ちゃん!


(20220829)

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