第29話 『明鏡』の編集者氏に捻子まかれ医師の募集をネットに探す

「『明鏡』の編集者氏に捻子まかれ医師の募集をネットに探す」―。


 7月31日に『勤務医を辞めて健筆宣言』を寄稿し、8月18日に掲載された。


     ◇


 編集者からのメール「医師という職業は、社会的な需要が高く、価値ある仕事と拝察します。健康なのであれば、また何らかの業務で世の中に貢献していただきたいと希望します。各個人の人生設計、いろいろとお考えだろうとは存じますが」に心が揺れる。


     ◇


 令和元年12月26日、レガシィから御守りをはずし、さらに運転免許証も神棚へおさめて唱えた。

「運転仕舞いに致します」と。


 その経緯を語れば「晩節を堅持するうえで、高齢者が原因の交通事故は侮れない」と考え、2月末の運転免許証更新はやめた。


 同時にレガシィも手放したのである。


     ◇


 医師免許証には有効期限がないので更新制度もない。


 もちろん〈定年制度〉はあるが、公務員医師と違って民間病院ではファジーなところが多い。


 なかには「年齢不問」という求人まである。


 他人事ながら、経営者たる先生方は辞め時を決めるのが更に大変だろうな、と思う。


     ◇


 さて編集者の誘いにどう応えようか。


 ―医師免許証を取り出す。


「晩節を汚さぬように…」とは、職も得ぬのに杞憂か。


(20220828)

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