第27話 スマートホンにヘリ墜落の報入り南三陸での支援がよぎる
「スマートホンにヘリ墜落の報入り南三陸での支援がよぎる」―。
画面の「医療支援ヘリコプター」という文字と見覚えのある機体に目が留まる。
◇
高い場所は子供の頃から苦手だったのに、東日本大震災後の気仙沼市で医療用多目的ヘリコプターに搭乗させられた。
メディカルアドバイザーを引き受けただけが、沿岸から内陸への患者搬送に同乗してしまったのだ。
何度も…。
◇
オレンジ色のJA9347機は愛称がフランス語écureuil〈リス〉である。
「浮いた!」と思った瞬間、足元には南三陸の海が広がる。
驚いたのは鳥の目で見る情報量の多さだ。
同じような建物のなかではユニークな公共施設が目印になる。
そんなビルの屋上は、上空への情報発信場所にもなる。
◇
屋上へ施設トリアージ用シートを出せば、災害時でもヘリコプターは施設の被害情報を上空から把握できる。
シートの色は、黒「使用不可」赤「損傷大で要応援」黄「損傷小で要応援」緑「応援不要」の意味だ。
シート上のピクトグラフ(絵文字)で、収容者数や傷病者数、必要物品なども表示できる。
◇
医療支援ヘリの重要性を知るだけに、今後の更なる安全運航を願い、機長さんの御冥福を祈りたい。(合掌)
(20220826)
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