第8話 夕餉すませ散歩に出かけし老い二人、いつしか歩幅が広がる不思議

「夕餉すませ散歩に出かけし老い二人、いつしか歩幅が広がる不思議」――。


 日中の暑さが和らぐ夕暮れ時、できるだけ人通りを避けて散歩に出かける。


 並んで語らいながら……ではなく、それぞれのペースでの早歩き。


 後ろから妻が近づけば、私も歩幅を広げて更に頑張るという具合で、30分後には汗だくの帰宅となる。


     ◇


 安全な速足には、歩行バランスを侮るなかれ! である。


 バランスを保つため、当然〈運動機能〉が重要だ。骨格筋が収縮して関節が動き、バランスの良い位置に骨を動かす。


 同様に〈認知機能〉も必要不可欠だ。環境が変化するなか、感覚情報を即時かつ頻回に分析しなければ、二足歩行などできぬ。


     ◇


 ヒトは〈感覚機能〉から伝わる情報を元に正しい動きができる。


 視覚や聴覚だけでなく、触覚や深部感覚(位置覚・関節覚など)も重要な感覚機能だ。

 もちろん、平衡感覚は重要であり(重力に対しての)上下関係を察知する。


     ◇


 高齢者は転びやすい。


『高齢者の転倒予防ガイドライン』によれば「高齢者の転倒は疾患であり、事故ではない!」とある。


 我ら老い二人、一歩一歩を踏みしめて安全に楽しく歩きたいものだ。


(20220807)

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