第6話 静岡の義姉より届きし鰻にて二日のほどを暑気払ひせむ
「静岡の義姉より届きし鰻にて二日のほどを暑気払ひせむ」――。
蒸し暑苦しい。
そんなおり「夏バテ予防に蒲焼きを」と、今年も鰻のかば焼きが届いた。
春の新茶に続く第二弾だ。
〈土用の丑〉は四季それぞれにあるので、正確には「夏の土用の丑の日」と言うらしい。
その土用の丑の日だが、今年は七月二十三日の土曜日だったから少々ややこしい。
◇
数年前、東日本大震災後の医療支援で宮城県の南三陸町に暮らした頃の話。
借家は潮騒が聞こえる場所だったので、新鮮な海の幸には恵まれていた。
それでも「たまには鰻を! 蒲焼を!」と隣の登米市へ連れだって出かける。
北上川沿いに二店あるのだが、評判通りの絶品で甲乙つけがたい。
◇
コロナ禍のおり外食もままならぬ。
近頃は自宅で妻の手料理を楽しむ。
お気に入りは〈鰯の蒲焼き〉だ。
新鮮で脂ののった鰯を「ホントはめんどうなんだけどね……」と妻は手開きにしてくれる。
夏バテ予防には、この一手間が秘訣なのかもしれない。
もともと必須アミノ酸のDHAやビタミンB・Dが豊富な鰯。これに妻のビタミンI(?)添加の蒲焼きはおいしい。
(20220805)
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