第3話 小気味よき驟雨で始まる葉月なり庭の生命ら息吹きかへす
「小気味よき驟雨(しゅうう)で始まる葉月なり庭の生命(いのち)ら息吹きかへす」――。
雨の月曜日の朝。だが最早「ブルーマンデー」などと気に病むこともない浪々(老々?)の身だ。
雨だって(庭の水やりが不要な)天の恵みと思い直せば「ハッピーマンデー」となる。
◇
ともかく日差しがハンパなく強い。
たまに妻の手伝いを……と洗濯物を持ってベランダに出れば、紫外線照射で皮膚に痛みを感じる。
植物は、更に悲惨だ。
数年前なら日向で元気に花を咲かせていたのに、最近では油断すると葉が日焼けして枯れてしまう。
その太陽の余命は、50億年だと聞く。
まだまだ先の話とはいえ、最期に向けて膨張し続ける太陽は、いずれ地球をも飲み込んでしまうらしい。
日中は庭に出られない夏、これを杞憂だと笑ってもいられまい。
◇
外山滋比古著『人生を愉しむ知的時間術』の『ガードニングの楽しみ』という一稿。
――「我々には、退職後の生活を〝楽しむ〟という感覚が少ない。〝エンジョイ〟というのはやせ我慢か、修辞だろうと思い、いくらか引っかかったことを覚えている」に同ずる。
が、せめて妻のガードニングの邪魔にならぬよう、二人の老後をエンジョイしたい。
(20220802)
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