第2話 予言獣『阿摩比古』様のおはすなら早きコロナ禍退散を願はむ

「予言獣『阿摩比古』様のおはすなら早きコロナ禍退散を願はむ」――。


 二年ぶりの再放送『新日本紀行』を見た。

「我は海中に住む阿摩比古(あまびこ)と申すもの。当年より6年は豊作だが、諸国で病が流行して6割が死ぬ。我が姿を書き見るものは、その病を逃れることができる」と初代は語ったらしい。


 その姿は(福井県越前市の武生公会堂記念館によると)毛におおわれた三本足のサルのようだったと伝えられている。


     ◇


 何度も書き写されるうち、異形(いぎょう)はサルから人魚のようになり、名前も〈アマビコ〉の〈コ〉を書き間違えて〈アマビヱ〉となったらしい。


 最初「あまびえ」を耳にした時、我が脳では「天冷え」と漢字変換された。


 イメージでは「甘海老」……回転寿司で二本ならぶ代物だ。

 人魚のようなアマビエの姿にモヤモヤ感が残った。


     ◇


 長引くコロナ禍に、お上が頼りないのは令和の御代も同じだろうと感じる。

 大局的な戦略がないまま、目先の利害で右往左往するのは全くもって情けない。


 ワクチン接種における昨今の泥縄騒動を見るに、切り札はもはや祈願しかないのかも……。


 どうせなら「アマビヱ」を「アマエビ」に変異させたらいい。


(20220801)

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