Tap water:あの子の日常

水道の蛇口から、水を直接飲むなんて、

学生。いや、中学生までだろう。


中3になった彼女との間には、厚い壁がある。

そう、実の所、同じクラスだったのは

1年生だけで、その後の2年はずっと、

違うクラスなのだ。


だから、水道は大事である。

彼女は、1人で居ることを苦に思っていない。

憶測だけだが…。

そんな彼女は、この頃、よく1人でプラっと

水を飲みにくる。

その瞬間に僕が丁度タイミングよく廊下に

いた時。

これが今の僕の1番の至福の時である。


水道の前に立つ。

蛇口の口を上に向ける。

マスクを顎にずらす。

蛇口をひねって、水を出す。

水を飲む。


その一連の行為だけで、

僕はこの子への恋を再確認する。

一言言っておく。僕は別に変態じゃあない。

…彼女のことに関してだけは例外だか。


ちなみに、彼女はというと、

僕に気がついて、チラッと目を合わせて、

すぐ無かったかのように、

友達と笑いあっている。


その姿さえ、愛しいと思うなんて。

僕は相当なドMなのかもしれない。

でも彼女になら強くあたられても、

怒りはしないだろう。…とは思う。


そして僕には1つの朝のルーティーンがある。

それは友達と一緒に、

彼女が登校してくる大体の時間。

8時前後にトイレに行くこと。

階段をのぼってすぐに、僕達2組と1組が

使うトイレがある。

運が良かったなとおもう。


毎朝元気に友達と話しているところを見る。

昨日は前髪あったのに、今日はあげてる。

とか、

お団子してないんだ。

とか。

人目見て、一日過ごせる力を生成する。


そうだ。彼女のとくちょうを1つ。

彼女は、えらいのだ。いい子なのだ。

その証拠に…。


彼女はいつも廊下にでて、蛇口の口が

上向きになっていたら、下向きに

わざわざ直してあげる人である。


なぜかって?

次飲む人が埃が入った水を飲まないように

する為に…。


そんなところがまた愛おしい。

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コーヒー+砂糖で甘くなることを彼女に教えたい。 てんきあめ @pooh_hate_honey

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