overdose!!

私と貴方

───人は言った、呪いと祝福は表裏一体だと



中学時代、荒れた家庭環境が主な原因となり私は鬱を患った。

学校にも行かず、毎日毎日布団の中に居ては病がもたらす悲しみと雑念に呑まれ泣いていた。

動きたくても思うように動かない体、引きこもりの私に罵詈雑言を浴びせる親、悪化する家庭環境。歯車が一つ外れた事で正常に機能しなくなった空間で過ごしたあの日々を私は死ぬまで忘れないだろう。


そんな私にも手を差し伸べてくれる人はいた。

病が寛解期に入ったある日のこと、私は遅刻をして学校に行った。

その日の帰り道同じクラスの親友と二人で帰った時の話だ。

親友はサユリと言い小学校からの長い付き合いで彼女は私と家庭環境が似ている事もあり私自身、とても信頼していた。

そんな彼女だからだろう、私はサユリに『家庭の将来が不安で仕方がない』とあまり人には言えないような悩みを打ち明けることができた。

突然私がそんな事を言うもんだからサユリは一瞬目を丸くする。

それからサユリは少し返信に悩み、こう言った

「じゃあさ将来、家庭の事が嫌になったら一緒に死んじゃおっか」

私にとってその約束はどんな強力な抗うつ剤よりも強力だった。


え?何?手を差し伸べてくれてる要素はどこだって?


あぁ、それはねサユリの言葉を頭の中で復唱した時に私は気づいたんだよ。

サユリの未来に私が居る事にね。

中学を卒業したらお互い新しい環境に馴染んで自然と疎遠になって、サユリは夢に近づいて私は社会の奥底に沈んでゆく。勝手に自分自身でそう決めつけていた。

当時の私はほとんど学校に行ってなく、登校日数も勉強も激ヤバの状態で将来が絶望感な状態だったにも関わらず、サユリには何年も先を生きる私の姿が視えている。

それに加え、死ぬ時まで一緒にいてくれるなんて……

正直口約束だとしてもこれ以上無いくらい嬉しかった。


貴方からしたら何気ない一言かもしれないけど私は救われた。

本当にありがとう。

今、私はこんな形でしかお礼を言うことができないけど次会えた時は面と向かって言えたら良いな。













ねぇ、もし将来で私が家庭の事で嫌になったら本当に一緒に逝ってくれる?


ね?


サユリちゃん

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