ジュ:験

@ghcxggh

第1話 目覚め

 6年間通った小学校を卒業し、僕は地元の中学に入学することとなった。受験したやつらもいたが、同級生の多くは顔馴染みで新生活感はない。春休みは何事にも「勉強、勉強」とうるさい母の影響で近くの塾に通った。小学校の頃はテストなんていつあるのかも知らなかったし、大抵先生がどっか行ってる時に友達と答え合わせをしてたから勉強なんて意識ましたことがなかった。しかし、中学に入るとそうもいかいのでとりあえず言われた通り塾に行った。

 工場を1階と2階に分けたのかのようにボロボロで、バスが横を通るたびに激しく揺れる。そんな塾に連れてかれても文句を言わなかったのは、経営してるのが親友のしんちゃんのおばあちゃんだったからだ。あと、意外と進学実績もいいらしいので、親に文句を言われないためにも春休みは文句を言わずに通っていた。

 三月も終わりに差し掛かり、朝ゴミ捨てをしに行くと肌寒さと春先の朝独特のいい匂いがした。僕の好きな香りで朝から気分がいいと思い、家に戻ると台所の方から「あんたしっかり勉強してるの、この前聞いたらB2らしいじゃない。」とお得意のキイキイ声が聞こえてきた。僕はアレルギーのあの声が聞こえたことで胸の辺りが痛み、とりあえず自分の部屋に戻った。こうすると大抵着いてこないのだが、今日は珍しく違うらしい。どうやら塾というのにはクラスがあり、人間の能力の優劣を、テストの点数で判断するそうだ。

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