第2話

 次の日、朝起きると昨日の夢はぼんやりとしか思い出せなかった。


「さざなみ島の遺跡は古墳の一部と思われ…」


 リビングのテレビからニュースが流れている。さざなみ島の話だ。急いで準備をし、港へ向かった。


 フェリーを降りると、祖父の源三が迎えに来てくれていた。


せい、いらっしゃい。」

「じいちゃん、久しぶり!」

「お、だいぶ大きくなったんじゃないか?」

「ほんと?やったー!」


 祖父の車に乗って、祖父の家へ向かう。途中カメラを持った人がたくさんいた。


「じいちゃん、テレビ?」

「学校の裏から遺跡が出たの知ってるか?」

「うん!ニュースで見た!」

「それがなんか新発見らしくてね。」

「そうなんだ。じゃあ山って入れないの?」

「いんや、山は関係ないから大丈夫だよ。」

「そっか。よかった。」


 車を降りて祖父の家に向かう。祖母が迎えてくれた。


「おかえり。せい、元気にしてたかい?」

「おばあちゃん、久しぶり!うん!元気だよ!おばあちゃんも元気?」

「あら?うふふ。元気だよ。」


 晴は祖母と話しながら居間へ向かう。

 荷物をいつも泊まる部屋に置きに行く。



「こんにちはー!晴、来たー?」


 陸の声が聞こえる。晴は急いで玄関に向かう。


「あら、せい、来てるよ」


「久しぶり!」

「よう!」「元気にしてたか?」


 玄関には、陸と風太がいた。久しぶりに会えてとてもうれしい。すぐに出かけたくなる。


「遺跡って何?」

「ニュース見た?」

「ちょっと面白いことなってるぞ」

 陸と風太が答えてくれる。

「見に行く?」

「見たい!」

「じゃあ。行こうぜ」


「おばあちゃん!ちょっと出かけてくる!」

「夕飯までには帰りなさいよ。」

「うん!」


 自転車を取りに車庫へ向かう。


「さっそくお出かけか。」

「うん!」

「楽しんでおいで。」

「うん!行ってきます。」




 海沿いを三台の自転車で走る。青い海を眺め潮のにおいを感じながら走る道は格別だ。学校に行くとたくさんのカメラと人だった。


「全然見えねー!」

「朝より増えてる!」

「来た意味!」


 無駄足になったわけだが、カメラと人が多すぎて見えないというのもオチとしては面白い。三人は顔を合わせて笑った。


「あれ?晴?」

「晴だー!」

「ほんと。晴君だ。」

 春香、ナズナ、美月だった。


「おう、久しぶり。」

「来てたんだね。」

「おう。さっき着いたとこ。」

「そうなんだ。」


「ダメだ!あっちも見てきたけど全然見えないや。」

「えー。」

 陸が見てきてくれたが駄目だったみたいだ。


「明日、基地から行こうぜ。」

「それいい!」

「そうしよう」


 今日は解散して、明日は裏から回ることにした。

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学校の怪談 美緒 @m103o

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