第056食 FCカレースパ:日乃屋カレー・御茶ノ水(E06)
このイヴェントに参加している、チェーンやフランチャイズのブランド・カレー店は、西の〈上等カレー〉と東の〈日乃屋カレー〉である。
実を言うと、チェーンとフランチャイズとは、似て異なる支店形態である。
〈チェーン〉とは、まず本社があって、そこから遣わされた正社員らによって店が直営され、個人経営ではない店舗の事である。つまるところ、〈ブランド〉という同じ看板の下、複数の店舗が展開されている店こそがチェーン店なのだ。
チェーン店の特徴とは、元締めである本社の指示によって各店舗における〈ブランド価値が統一化〉されている点で、その結果、消費者は、全国どこの店に行っても、同じ商品を同じ味で楽しめる
翻ってみると、店舗ごとの差は、徹底的に排除されている事になる。
これに対して、〈フランチャイズ(FC)〉とは、本社との契約によって運営されている加盟店のことで、本社に監督されたり、また、本社に契約金や商標権を支払いはするものの、資本的には独立している店舗経営形式なのだ。
たしかに、フランチャイズは、本部の統制下に置かれてはいるものの、店舗ごとに特色を出す事も可能だそうだ。
『日乃屋カレー』のホーム・ぺージを参照してみると、「加盟&物件募集」という項目があり、ここで、フランチャイズ店の募集が為されていたので、日乃屋の各店舗はフランチャイズ店なのかもしれない。
考えてみれば、画一的なチェーン店ではなく、店ごとに特徴を持つFC店だからこそ、複数の店舗が今回の企画に参加しているのであろう。
そして、この水曜日の夜、書き手は、JRのお茶の水駅近くにある、FC店である日乃屋カレー・お茶の水店を訪れたのであった。
同じブランドであれ、店の独自性を持ち得るFCである分けだから、注文する品は、どの店舗でも注文できる安定の定番メニューではなく、店舗限定メニューだ。
そのコンセプトに基づいて、メニューを流し見したところ、他の店舗では見かけた記憶のない、お茶の水限定のメニューの可能性が高い「カレースパゲティ」という商品を書き手は発見したのであった。
もっとも、書き手が気付かなかっただけで、実は他の店舗でも提供されている可能性はゼロではないが、それでも、このメニューに「数量限定」という文句もあり、そもそもの話、この品を書き手は未体験だったのだ。
それだけでも、このカレースパゲティを注文する意義があるというものだ。
やがて提供されたカレースパゲティは、「日乃屋」の白い皿いっぱいにスパゲティが載せられていた。
このカレースパゲティ、例えば、ナポリタンのように、麺をトマトソースで和えているものではなく、いわゆる、ミートソースのように、茹でられたパスタの上にソースが掛けられているタイプで、つまり、日乃屋の甘辛カレー・ソースがたっぷりと、乳白色のパスタの上にかけられ、一番上に、太陽、すなわち〈日〉のような生卵が置かれていた。
書き手は、まずは、カレー・ソースの味を確認し、それから、ソースをパスタに絡めながら三分の二ほどパスタを食べ、最後に、残りのカレーを生卵と十分に混ぜ混ぜしてから、皿を平らげた。
カレーというと、ライスやナンを主食にする事が多いのだが、他の主食、例えば、今回のように、パスタなどが注文可能な場合には、変わった主食を選ぶのも面白いな、と書き手は思ったのであった。
〈訪問データ〉
日乃屋カレー・御茶ノ水;お茶の水・JR御茶ノ水
E06
十月十九日・水曜日・十九時十五分
カレースパゲティ:八五〇円(QR)
〈参考資料〉
「日乃屋カレー・御茶ノ水」、『神田カレー街 公式ガイドブック 2022』、六十八ページ。
〈WEB〉
「今さら聞けないチェーン店とフランチャイズ店の違い」(2020.02.05)、『デジタルトランスフォーメーション チャンネル』、二〇二二年十二月三十日閲覧。
「加盟&物件募集」、『日乃屋カレー』、二〇二二年十二月三十日閲覧。
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