第32話

 もうまいなるわたしは感激しておりました。そもそもほうはいたる統合失調症にかんしたことからたるかしわざき救生病院の閉鎖病棟――Q病棟――に入院しさんくさろうからなるこうしよ『研究ノート』を譲渡していただいて『研究ノート』どおりに『脳髄非侵襲型端末』を構築し『現実』に『百億の多元宇宙をりよ』できたのですから。ふんじんのわたしはようちようたる女性精神科医の診断が完遂されるとはんぶんじよくれいの処方箋による精神安定剤の受取りをせいかくなる両親に嘱託したうえでA棟最奥部に位置する『Q病棟』にばくしん致しました。くだんのろうに『あなたのけんさんは本物でした』などと感謝するとともにまでの奇妙れつなるりよの物語を存分にしてあげたかったのです。けんじんなる入口のかいわいに設置されたQ病棟ナースホールとの『連絡マイク』をけみしてくだんのろうに面会したいとの趣旨をでんしたわたしは『申訳ございませんが面会は出来ません』と返答されQ病棟にはちんにゆうできませんでした。金城鉄壁のかしわざき救生病院では閉鎖病棟や開放病棟間の移動があった場合面会者にも『行先』はでんできない規定があるためにおくそくしたわたしはA棟二階の開放病棟にまいしん致しました。しよくそうぜんたる開放病棟の『連絡マイク』越しにも『面会は出来ません』と鮸にべもなく返答されめいもうたる開放病棟内をべつけんしててきちよくしていると開放病棟の患者らしいやぶにらみのろうが肉薄してきてわたしの説明を傾聴してくださいました。わたしは喫驚致しました。やぶにらみのろういわく『あいつは死んだよ』とのことでした。くだんのろうは一旦開放病棟に移動されたことは相違ないのですがのうほうはいたる肺炎にかんしてかしわざき救生病院の内科一般病棟にてへいが確認されたというのでございます。意気阻喪致しましたわたしはしやはんの経緯を両親にでんして処方箋による精神安定剤を掌握したうえでばくなるかしわざきから長岡市への帰路にゆうすいたるかしわざき墓園にまいしん致しましてくだんのろうの墓石に供養してまいりました。

 わたしは『まだ終わっていない』とおもいました。

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