第18話

 めいもうたるばこの紫煙がさんらんたる陽光に浮彫になり二日酔いの探偵のふんぷんたる悪臭がまんするわいざつなる探偵事務所に容疑者四人をしようへいしたわたしはげんたる確信をもって『真実』をてつけつせんとしました。茶褐色の二人用ソファ二組に容疑者たる医師と元看護師里親たる義父と義母をそれぞれ鎮座せしめたわたしは然たる態度でソファをじようするようにかつしながら容疑者四人をへいげいするように『真実』を物語りはじめました。『容疑者たるあなたたち四人はそれぞれわたしの両親を殺害した犯人だと自供しているといえどもあなたたち四人の証言する殺害方法はかいしている医師と元看護師のあなたたちは睡眠薬によって里親のあなたたちは無臭化したによってというようにべつけんするとそれぞれの殺害方法は可能であり同時にそれぞれの殺害方法すべての証拠となる記録がのこっている』わたしはてきちよくしてつづけました。『しやはんの事情をせんばんこうしたうえでそれぞれの『点』を『線』としてつなぐとこうなります』ひつきよう『里親たるあなたたちが無臭化したを家屋にまんさせ医師と元看護師たるあなたたちが投与した睡眠薬でわたしの両親が家屋から脱出不可能になっている状態であなたたち四人が家屋に放火したすなわち』わたしは深呼吸をした。『犯人はあなたたち四人全員です』わたしがしんいんひようびようとして断言した刹那事務机の回転椅子で泥酔していた探偵がわたしをせいちゆうしました。いわく『間違ってるねあんたは探偵としては未熟者だ』と。わたしが喫驚して探偵を凝視せんとした刹那わたしの脳髄がけいれんしたような感覚にひようされひやくがいきゆうきようからりよりよくだつされるとともにきようらんとうの勢力で意識がこうしようしてゆくさまを認識しました。探偵の弟子たるにくたいから解放された意識は西暦一九八三年八月二三日生まれのほうはくたる窮極集合のなかでこうかくされるあらゆる『わたし』にひようしてゆき百億を超越する『平行宇宙』の景色が明滅していって百億をりようする『人生』を体験したうえで意識は完全に消滅しました。

 わたしは本統にへいしたとこうかくしました。

 が百億の世界のりよの終着点でした。

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