第5話

 たる新潟少年学院の通信教育できゆうていたいりよの高校卒業同等の資格を獲得したおれさまははんぶんじよくれいの溶接の職業訓練のかげで退院後陰陰滅滅たる工業地帯の溶接工として正職にありつけたんだ。きようこう二十五歳まではくそに労働してやったさ。雪国の新潟県だから極寒の真冬はともかくなんだがれんの太陽がぎらつく真夏になるとわいざつなる工場内での溶接の仕事場は猛暑で息苦しくてくそなおれさまもけんえんしてきちまっていた。に同様に素晴らしき新潟少年学院を卒業した生意気な不良少年が就職してきやがってじんぜんとして仕事も碌ずっぽしやがらねえからおれとけんになりマキャベリストの不良少年は容赦されたのにくそに労働していたおれさまはかくしゆされちまった。生命のともづなたる職場からほうてきされたおれさまはこうしのぐためくだんのどうせいしていた元恋人にりくりよくきようしんしてもらおうと元恋人のそくせきを追躡していたんだが元恋人の現在の恋人に不審者扱いされちまって元恋人の現在の恋人とけん沙汰になり元恋人の現在の恋人は酒乱の探偵さんとやらと契約して酒乱の探偵さんとやらにおれさまを説得させんとしやがったらしい。生意気にも酔っぱらっておれさまをせいちゆうしにきた探偵に怒髪天をいたおれさまはけんをふっかけたがなんてこった二日酔いでおうしていた探偵はきようしようなる『構え』をすると少林寺拳法金剛拳の送指捕でにくたいを緊縛しテコンドーの半月蹴りでしきもうろうとさせて柔道のともえげでふっとばすというな格闘術でおれさま――中学時代からけんには自信があったおれさま――をバタンキューさせちまった。二日酔いの探偵がただものじゃねえとおくそくしたおれさまはこうしのぐためにも尊敬する探偵さんの弟子になるためにもおうしている探偵さんの事務所に雇用してもらうこととなったんだ。頭脳めいせきなる探偵さんだったが致命的に酒癖がわるくって現在はけん沙汰の仲裁斗りをあつかっているらしい。しゆんたる探偵さんの弟子としてちようになにをすればいいかと尋問するとエドガー・アラン・ポーとコナン・ドイルとアガサ・クリスティーとレイモンド・チャンドラーを全巻読破しろってなこって疑心暗鬼を生じながらもおれさまはひつせいはじめて小説ってもんをんだ。

 珍紛漢紛だった。

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