【62:『やりがい搾取』になっていないか?】

 古今東西、何らかの小説コンテスト、多々ありますね。コンテスト数もわかりませんし、延べ応募人数などもっとわかりません。平成初期の『富士見ファンタジア大賞』など、応募総数、千作品とか届いていなかったんじゃないかな・・・(これはあとで昔のドラマガを開いてみるとして)。

 

 ともあれ結果的にデビューする作家も目白押し。書店を覗いてみて、誰が誰なのかさっぱりわかりません。どれが面白いかもわからないから、手も出せません(これ、ホントの話)。

 そしてわからないまま消えていくから、余計にわからないという悪循環。

 プロデビューはとてもすごいことと思いつつ、こうなってしまっては何だか勿体ないと感じてしまいます。


 『やりがい搾取』なんて言葉が、いつの頃から世の中で使われるようになりました。待遇と労働が釣り合っていない状態なのですけれど、こんなのは私が働きに出た頃(前の会社の話)から当たり前にありました。

 特にキャリアの浅い作家さんや、デビュー間近の作家さんなど、扱いがこうなっていないか? とか、ふと思ったのです。


 プロを目指すなら、デビューは喉から手が出るくらい欲しくなるプラチナチケット。コンテストであろうと、オファーであろうと、夢の大きさは計り知れず、お金で買えるものではありません。

 出版社さんたち、そのチケットをちらつかせていませんか? 

 相手の夢につけこんでいませんか?

 言葉巧みに良いように使おうとしていませんか?

 今のコンテスト乱立状態と、プロデビュー志望者の増大を見ていると、結構昔に見たアイドルオーディションに何となく似た空気を感じることもあります。


 今、間違いなく買い手市場ですよね。売り物の方が多すぎて、作家さんや作品の価値が大暴落していると思います。

 そんな立場から出版社側に慢心とか、出ていませんか? 例えば『世の中を騒がせる出来事があった企業というのは、やはり何らかの慢心が社内に存在して、その体質は末端まで浸透するもの』ですからね。


 相手の夢に付け込んだ『やりがい搾取』は許されません。KADOKAWA社さんはそんなことは絶対にないと信じています。

 それでも慢心することなく、常に気持ちを引き締めて、この業界をリードして行って欲しいです。

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