【36:コンテストについての私見 その3】
しつこく続いていますが、取り敢えず現状、コンテストについての私見はいったんおしまいになります。
前回と似たようなものになりますが、「原作(ある程度のプロットや設定、世界観など)を与えて、それをノベライズする」コンテストがあっても、良いと考えます。
現在、カクヨム運営が公式に創作論の講座を開いています。
明らかに「こう書いて欲しい」との意図があるのでしょう。
むしろ「こうやって書いてこいっ!」くらいが、本音ではないでしょうか?
ならばそうした講座を担当する方々が執筆すれば、望むような良い作品が完成するかと言えば、必ずしもそうはなりません。
むしろ運営側はプロデューサーであり、一人でも多くの作家を世に送り出すことが仕事です。
会社のために利益を上げることが最優先なのです。
一緒になって小説を書くことではありません。
原作を与えるとは、音楽で例えるならば曲を提供するようなもの。
あとはそれに相応しい歌手を見つけて、歌ってもらって、ヒットすることが最大の目的です。
面白いことに、曲を作った作詞・作曲者が歌えばヒットするかと言えばそうではない。
ソングライターはソングライターでアリ、ヒット歌手ではないのだ(歌はうまいと思うけれど、歌声はまた違う)。
もちろん自作曲を歌ってヒットを飛ばす歌手も多いが、いわゆるそれはシンガーソングライターと呼ばれる立場の人で、また違ったポジションなのだ。
別物と考えた方が良い。
同様に物語の流れや展開などはある程度考えられるものの、それを文章化やコミカライズする力がない人たちもいるはずだ。
これではせっかくの才能が勿体ない。
人間にはそれぞれ向き・不向きがあり、その類のものであると割り切るしかないのだ。
WEB投稿サイトで投稿している作品の中で、パッと見た目の文章表現は稚拙であったとしても、展開やアイディアは悪くないと思える作品もあるのではないか? と思います。
例え本人が努力して手直ししたところでプロデビューは難しいと感じられても、それを原作と位置付けて、しかるべき文才の持ち主が小説化、また画力の持ち主がコミカライズを行うことも可能ではないでしょうか?
それが実現することにより、実際の作者(つまり原作者)、小説化またはコミカライズした作者、出版社と三社がともにWin-Win-Winの関係になれると思います。
当然「わけまえ」が減ることになりますが、そんなけち臭いことを考えては何もできません。
他のサイトも含めWEB投稿サイトによるコンテストが増え、多様化しつつ、様々な角度と視点から次代の作家を見つけ出そうと躍起になっています。
ですがどれほど結果が出ているものかわかりませんが、少なくとも大成功であったら、もっともっと嬉しい悲鳴があっちこっちで上がっているのではないでしょうか?
コンテストを開催して、単に外れくじを引いてばかりならば、ある程度主催者側からハッキリと誘導をしてやるべきと思います。
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