【35:コンテストについての私見 その2】

 もしかしたら既に存在しているのかも知れませんが、書いてもらうのではなく、書かせるコンテストがあっても良いと思います。

 色々な物語を書ける書き手を見つけたいと思うのならば、敢えて厄介なお題を与えて、それに対して公募してもらうシステムです。


 以下、案を箇条書きにします。

 ・読者サイドからお題を募ると膨大になりそうなので、運営側が幾つか、少なくとも五十のお題は用意する。

 ・それらは全て、何の脈絡もないものとする。

 ・その中から例えば三から五くらいの範囲で自由に選択し、それらを用いて短編を作る。

 ・お題の使い方は作者のセンスに任せる。

 ・その他、何かあれば要綱に追加する。


 ある程度の方向性を求めるならば、倍の百程度のお題が必要になるかと思います。

 更には起承転結のカテゴリー分けをし、その中から一つずつ選択した上で、それらを必ず使って物語を構成します。

 恐らく、使いやすいお題とそうでないお題にわかれると思いますけれど、それであれば最も使われなかったお題を使った参加者には、お題一つにつき50ポイント分のリワードをプレゼントするなど、それくらいの楽しみがあってもいいのではないでしょうか?

 もしも全部引き当てれば、一気に200ポイント獲得です。

 こうやって餌を蒔いておけば、多少なりとも偏りを回避できるのではと考えます。


 あとはそれこそ大喜利形式です(言わずと知れたあの番組の定番ですね)。

 司会者による合いの手の代わりに、主催者側が物語の真ん中部分にあたる漠然としたプロットだけを、複数用意しておきます。

 その場合は登場人物はそれぞれA・B・Cなどとし、性別も年齢も明記しません。

 周囲の情景描写も最低限で、余計な情報は何もなしとします。

 その前後に当たる話と、真ん中のプロット部分の清書を含めて、一つの作品として仕上げて応募してもらいます。

 この場合だと短編か中編になるでしょう。


 私はアマチュアなのであくまでも推測になりますけれど、実際にプロになった際、「こう書いて欲しい」という注文はあると思います。

 漫画家さんなど、担当者さんと物語を煮詰めて作り上げるものですから、同様のことが行われていても不思議なことではありません。

 

 今のコンテストは応募者側に比較的自由に書いてもらうスタイルですけど、逆に主催者側が参加者側に書かせるコンテストがあっても良いと思うのです。

 それこそ、「デビューさせてやるから、これをまとめてこい!」くらいの強気であっていいはずです。

 だって全くの無名の新人(つまり先日まで素人だった人間)を、相当なリスクを抱え、高いコストをかけてプロデビューさせるわけですから。

 甘くない世界であることを最初から示すことは、本来主催者側が行うべき義務であると思います。


 もしもこうしたコンテストが行われた場合、既に原稿依頼が始まっているとも言えるのです。

 それに対して本気でプロを目指すのであれば、この程度の注文は切り抜けて当然のこと。

 「出来ません」じゃダメなのです。


 何となく「似たようなタイトルの、似たような作品(盗作の意味合いではない)」が氾濫するようになり、結果的に使い捨てにされるような『噂話』も聞かれるようになったのは、こうした状況を黙認してきた出版社側に責任があると考えます。

 目先の利益に目がくらんでいるだけで、その先のことを考えていません。


 また作家側にも、意識に甘さがあるのだと思います(これはプロアマ問わずだと思う)。

 私はどちらについても素人ですし、あくまでも素人目線で勝手な話をしているだけですが、少なくとも今の在り方で良いのかと尋ねられれば、違うと答えます。

 両者とももう少し視野を広げ、幾つも視点を変え、よりよい方向へとチャレンジしていってくれることを願っています。

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