【25:『説明文っぽい長いタイトル』についての私見 その2】

 この『説明文っぽい長いタイトル』ですが、当初個性的だったものが、現在では無個性に落ちてしまったと感じます。

 これだけ乱発状態であれば、珍しくもないわけです。

 以前『どこかにあったような気がする説明文っぽい長いタイトル』を目にしました。

 私の思い過ごしかも知れませんが、人間の記憶などあいまいで、錯覚を起こすものですから、十分ありうると思います。


 けど本当に意図的に行っているとしたら、これってうまく読者を『釣ろう』としているのではと、やはり思ってしまうのです。

 WEB投稿サイトだったら、引っかかってクリックしちゃうとか。

 商品化されていたら間違えて買っちゃうとか、タイトルに騙されて買っちゃうとか。

 先にも書きましたが、人間は錯覚を起こすものです。

 まさかそこまで狙っている作者さんとか、出版社さんとか、いませんよね?


 もし三十年くらい前の黎明期であったら、タイトルの作り方だけで「パクリ」と言われた事案かも知れません。

 現在、流行りの『異世界転生(転移)』にしても、そうなるように感じます。

 当時の話になりますが、展開が似ていたり、アイディアが似ていたりしただけで、『パクリ疑惑』をかけられたコンテスト受賞作家さんがおりました(綺麗な文章で、素敵な物語を書く作家さんでしたが、今はKADOKAWAからも離れ、名作は一切電子化されず、ほぼ消息不明で寂しいです)。

 そんなこともあった時代でした。


 この事例に当てはめると、今であれば多くのプロ・アマ作家さんが『パクリ疑惑』に該当するのかも知れません(タイトルや『異世界転生』の展開なども含めて)。

 けどよほどのそっくりさんじゃない限りは、攻撃されることもほぼ無いはずです。

 何故なら、あっちもこっちも同じような作品で溢れているし、多少似ていてもそうした作品を好む作家さん・読者さんが大勢ですから、あまり気にならないと思います。

 『長い物には巻かれろ』なのか、集団的な心理で、少数派が否定されるものなのか。

 むしろおかしさを指摘する方が、『おかしい』と攻撃される世の中になっていると感じます。

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