【15:投稿サイトの誕生は正にビッグバンだった】

 ですがブログの発展形みたいな形で、投稿サイトが生まれてから、状況が一気に変わりました。

 大げさな言い方をしますと、『ビッグバン』でした。


 何が最初のサイトで、いつ頃立ち上がったのは調べていませんが、恐らく2000年代のどこかだと思います。

 そこで産声を上げ、少しずつですが成長を続け、殻を突き破って大きく進化したのは2010年代に中頃くらいからではないでしょうか。

 多分、WEB投稿サイトからプロデビューして、大ヒットしたり、アニメ化したりと、話題になった作品が増えていったからだと思います。

 

 自分も2010年代の初頭に幾つかのWEBサイトに登録したことがあります。

 同時に活動したことはなくて、どこかで始めては撤退して、また他所で始めることの繰り返しでした。

 閲覧数が伸びなかったこともありますが、まだまだ閉鎖的な空間のように感じ、これならばブログの方がましかなと思っていました。

 やがて時代の流れなのか、そのブログも運営企業が撤退表明。

 宿なしになりかけたところ、同じ時期にカクヨムが立ち上がることとなり、運よく家なき子にならずに済みました。


 こうした各種の投稿サイト。

 造りが最初から文芸作品の発表に特化していますから、読み手も書き手も興味のある人たちが、自然と寄り集まってきました。

 その点がHPやブログと大きな違いでした。

 

 これにより、それまで発表の場を得ることが出来なかった作家さんたちが、表舞台へ上がることとなりました。

 何しろこれは、プロアマを問わず、形だけでも作家デビューが可能になった画期的な出来事だったのです。

 例えるならば、暗渠(『あんきょ』と読みますが、意味は調べてくださいね)の中で彷徨っていたような作家さんたちが、ついに明かりの見える出口を発見し、ようやく日の光を浴びる世界に脱出出来たようなものでした。

 

 今の時代に書き始めた人たちや、これから書き始める人たちにとっては、既に発表の場が備え付けの家具のように用意されていますから、発表の場に苦労することはありません。

 とても恵まれた時代にいて、とても羨ましく感じてしまうのが正直な気持ちです。

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