【10:手のひらの上で、うまく踊れるかどうか】

 一方でデビュー予定の作家さんの方は、みんな個人事業主。 

 一仕事幾らで動く請負業者さんなのです。

 そして立場としては、圧倒的に弱い位置にいます。

 そのことをまずはきちんと理解して、素直に受け入れなければなりません。

 

 悪い言い方をしますが、デビューする作家さんたちは、これから出版社の手のひらの上で踊らされることになります。

 少し時間を戻せば、出版社側は自分たちの手のひらでうまく踊ってくれる、若くて扱いやすい作家さんの卵を、日々探しているのです。

 つまり、うまく踊れそうなものがデビューできると言っても過言ではないと思います。


 卑怯と思われるかも知れませんが、これはおかしなことではありません。

 どの企業であっても、何らかの人材を外部から活用する場合(請負業者や派遣社員など)、自社にフィットしない人材は残念ながら戦力外です。

 人件費は損得勘定に含まれますから、ここはシビアに考えるのです(ただ役に立たない社員も少なからず存在する)。

 

 出版社が手に入れたいのは、「金」を生み出す作家の卵。

 ゴールドではなく、マネーです。

 無償で作品発表の場を提供しているのですから、それくらい欲のあるリターンを求めるのは当然のことなのです。


 なのでプロを目指す作家さんたちは、最初から「儲け」を考えながら活動するべきです。

 それこそ自分が出版社を儲けさせてやるんだと、それくらいの強い気持ちを持つぐらいがちょうどいいのかも知れません。

 

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