吉原の遊郭、花蝶屋で働く娼妓見習いの千早は、ある日突然楼主の娘の寿々から自分が売り飛ばされようとしていると告げられる。寿々の助力で花蝶屋から逃げ出したものの、捕らえられてしまいそうに。進退窮まり神仏に祈った千早に手を差し伸べてくれたのは——?
謎めいた美貌の楼主、キュートな猫耳禿、妍を競う二人の花魁。魅力的な登場人物たちにめいっぱい可愛がられてしまう千早がまた健気でかわいいこと!
タイトルでもすでに明示されていますが、舞台は闇が薄れ始めた明治の頃。千早が居候することになったあやかしばかりが集う月虹楼ではかつての華やかな吉原が再現されているのですが、匂い立つような艶っぽさや絢爛豪華な花魁の美しさがまるで目に浮かぶように伝わってきます。
あやかしのそれぞれの事情、千早の秘密、そして楼主の秘密。闇と光が交錯する時代に、人とあやかしそれぞれが抱く願いの物語。
個人的には猫耳双子の珊瑚と瑠璃がただかわいいだけではなく本当にとっても良い子たちできゅんきゅんしたので、この二人にもぜひご注目いただきたい!
あやかしものや、歴史物がお好きな方にもとってもおすすめです!