第4話 帰宅

ギギギギッ!



今、屋敷の門が開き俺とシャル、そしてラッセルの兵士たちは門をくぐり、ラッシャー領主が住む屋敷へと向かう庭を歩いていた。


すると、大きな庭で組手をするふたつの影が見えた。


「ただいま帰りましたー。」


「おぉーー!やっと帰ってきたか!ガハハハハ!

どうだ、今息子と組手をやっておったんだがお前たちも混じるか!?」


「いやいや、勘弁してくださいよクライルさん。

俺たち今魔獣狩りから帰ってきたばっかですよ。」


「うん。それよりもご飯。」


「ガハハハ!!そうか、そうか!なら俺達も今からご飯にするか!なぁ、ゲイル!」


「はい!わかりました。父さん。」


今俺が声をかけて、快活な誘いををしてきた大男がラッシャー領の領主である、クライル•ラッシャー辺境伯である。

ヒゲも生やし、体も大きく筋肉だるまであるので、見た目はすげぇ怖い。でも、話してみると優しくちょっと暑苦しいけど、俺は好きだ。

シャルはこの暑苦しさが苦手らしいけど。


そして、今クライルさんと組手をしてたのがその息子の、ゲイル・ラッシャー。見た目はクライルさんの髭を無くし、体を少し小さくしたような感じだ。性格と似ていて、俺たちと同い年なので、親しくさせてもらってる。


このラッシャー辺境伯は魔法で身体強化をし、拳で戦うことが有名で、俺達もよくこのクライルさんの組手に誘われるのだ。

今は魔獣狩りで疲れているので正直、組手はしんどい。





すると、ゲイルが手を肩に回し、



「レーヴァテイン!今日の魔獣狩りはどうだった?!なんか、大物とかいたか?!」


「いやいや、今日はレッサーゴブリンとかレッサーオークとかのレッサー系ばっかだったよ。」


「なんだよ!ガッカリだなー。」


「いや、そんなこと言ったって今日は新米兵士もいたしそんなに奥に進めなかったんだよ。明日からはシャルと俺の2人で魔獣狩りに奥まで進むから、もっと大物が出てくるかもしんないけど。」


「まじか!俺も行きてぇー!なぁ、俺も行ってもいいか!?」


「いやいや、君は政治の勉強とかやることがあるでしょ。」


「そんなこと言ったって、行きたいもんは行きたいんだよ!」



「レーブ、ゲイル。もう、屋敷に着いたし着替えてご飯食べに行こ。」


「ハイハイ…。レーブ、この話はまた後でな!」


ゲイルはそれだけ言うと廊下の奥に消えていった。



「えぇ、まだすんのかよ。」




まったく…。推しが強いし、暑苦しい。

でも、あの明るさは見習いたいよな。


「じゃあ、シャル。また晩御飯の時にな」


シャルは微笑んで、


「うん。」


と言い、自分に与えられた部屋に戻っていった。

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剣聖と剣姫の日々 @agisai469

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