第61話補足:国が雇う盗賊集団とは?

 国が山賊を雇う? さすがファンタジー小説と思った人はあまい。実は歴史上において、そのような事実は存在します。そしてその最たるものがイギリスのフェアリークイーン、そしてグロリアーナでもあるエリザベス1世です。ま、正確に彼女が雇ったのは海賊だったんですけどね。ということで、今回はエリザベス1世のお話です。


 エリザベス1世の父親はイギリス最強の愚王として名高いヘンリー8世です。そう自分が離婚したいという理由だけで、カトリックと対立しイギリス国教を作った国王です。もう絶対王政とはいえ、こんなわがまま放題の王政ではまともな国の運営ができているわけなく、この時イギリスは国家としてどん底にあったといっても過言ではなかったというわけです。


 しかし、エリザベス1世がここからどうやって国家を再建したか?その再建策の1つが「海賊を雇って使う」つまり当時政敵であったスペインの船を狙って、アメリカ植民地から帰航するスペインの船を狙って海賊行為を繰り返し国家財政の再建に大きく貢献します。なんていったってイギリスの国家収入より、私掠戦によって得られる海賊業の利益の方が多かったんですから、ね。これ、ほんと酷い話ですよね。ちなみに、その海賊のボスたる人物こそがフランシス=ドレーク、海賊から提督の地位まで上りつめ、イギリス人で初めての世界一周を達成したイギリス人の英雄です。


 さて、そんなフランシス=ドレーク率いる海賊団によって富を奪われ続けたスペインの国力は徐々に低下します。そりゃそうです、イギリス1国分以上の国富が奪われているんですから、ね。


 そして、それに腹を立てたスペイン王フェリペ2世はイギリス宣戦布告、こうしてスペインとイギリスの戦争がはじまり、アルマダの海戦によってスペイン無敵艦隊が敗れ去ると世界の基軸はスペインからイギリスに移っていったのです。


 ちなみに、このアルマダの海戦でイギリスを勝利に導いたのが、なんとフランシス=ドレーク。彼はいままでの海戦の常識をひっくり返し、なんてお話もありますが長くなりすぎますので、ここは自分で調べてみてくださいね。


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第62話:ユリハ・キャラン

https://kakuyomu.jp/works/16817139557982622008/episodes/16817139558234268062

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