第66話補足:「ハータム・カーリー」と「ウルトラマリンブルー」

 ここに書いてある美味しそうな料理は実在します!コーカサス料理です。という話ではなくて、今回は「ハータム・カーリー」と「ウルトラマリンブルー」について補足します。


 ペルシア芸術と呼ばれる芸術の中でも最高峰の一つであるハータム・カーリーは、イラン文化圏(イラン・アフガニスタン・タジキスタン・アゼルバイジャン・ウズベキスタンとその周辺)が生んだ工芸品です。


 ハータムカーリーは、イスラム伝統の寄木張り細工で作られた繊細で綿密な工芸品で、サファヴィー朝(1501年-1736年)の時に製作が始まりました。この工芸品は宮廷で大変もてはやされて、この技芸が音楽や絵画とならんで王子たちの教養科目になったくらい人気があったそうです。


 造詣としては、ハータムカーリーは星形のようなパターン装飾を施される事が多く、使われる材料は木(黒檀、チーク、ナツメ、オレンジ、ローズウッド)、真鍮(金色の部分)、ラクダの骨(白色の部分)などでした。ただ高級工芸品には金・銀・象牙が使われていたみたいで、今では「超」高級品になっています。興味がある人は、博物館にいって現物を見てください。ネットでみるとのは違う迫力がありますよ。


 次にウルトラマリンブルー。ラピスラズリ(青金石)から作られる超高級顔料です。ちなみに「ウルトラマリン」とは「海を越える」という意味で、天然ウルトラマリンブルーの原料となるラピスラズリが、ヨーロッパの近くではアフガニスタンでしか産出せず、ラピスラズリを地中海を超えて海路で運ぶという意味から「海を越えて」つまり「ウルトラマリン」という名前がつきました。ここ勘違いしている人が多くて、特別な、最強な、青という意味ではないのです。


 ただ「ウルトラマリーンブルー」の顔料は、原材料が宝石ということもあり、輸送コストもかかることもあり、超高級品。そんな顔料をふんだんに使う事ができる画家はほんの一握りでしかいませんでしたが、そんな一握りの画家に天才は含まれていました。

 

 そう、それが、オランダの産んだ天才画家フェルメールです。ためしに彼の代表作である「真珠の耳飾りの少女」を見てみてください、圧巻のひとこと以外言葉がでないと思います。ちなみに私は「モナリザ」より断然「真珠の耳飾りの少女」が好きです。


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第67話:そんなに私をせめないで

https://kakuyomu.jp/works/16817139557982622008/episodes/16817139558244286124

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