第43話補足:相場はどういう時に大きく動くのか?②

 第43話を読んで、こんなバカげた話あるわけないと思いませんでしたか? いや、そうでもないんですよ。じつは、これと似たようなこと、というか、これより酷いことが起きたのです。それがいわゆるリーマンショックです。


 では、今回は、そのリーマンショックについて解説をしていきます。リーマンショックは一言でいえば、住宅ローンの破綻です。その当時、銀行は絶対に借金を返せない人に住宅ローンを組ませて、その債権(貸したお金を返してもらえる権利)をモーゲージ債として大量に売りまくったのです。


 この仕掛けの狡猾さ、わかりますか? これ、銀行は「モーゲジ債」を「売った時点で利益が確定」しているのです。つまり「手数料」分だけ利益がでているのです。ここにミソがあるのです。ようするに債務者が住宅ローンを返すのは、「銀行」ではなく、その「モーゲージ債」を買った債権者になっているのです。そう、たとえ債務者がお金を返さなくなったとしても、損するのは「モーゲージ債」を買った債権者だけで、銀行はそんしないのです。ね、これ、本当に酷いでしょ? そりゃ、銀行は、お金を返せる保障のない人(サブプライム)にお金を貸しまくって、住宅ローンを組ませるわけですよ。


 そして、後半のくだり、「先物証書を担保」にして「新たな先物証書」を発行するの部分。これはまんま同じというわけではないのですが、これに似たようなことがリーマンショックの時に起きています。それがCDO(Collateralized Debt Obligation)と呼ばれるものです。


 つまり発行したモーゲージ債を担保として、新たに発行された新しい債権こそCDOになるのです。もう、これ、何言ってるかわかんないですよね? 一言でいえば、債券を担保として新たな債権を発行するということなんですが、ちょっと違うんですが、わかりやすく言えば、借金して借りたお金を担保に新たな借金をするみたいなことを「銀行」がやっていたのです。具体的な例をいえば、五千万ドルの「モーゲージ債」から20倍、10億ドルの「CDO」を発行していたという記録も残っています。


 まぁ酷いの一言ですが、私を含めて、金融をかじっている人はモラルが欠けています。だから、ほんと手が付けられないのですw


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第44話:先物証書のお話③

https://kakuyomu.jp/works/16817139557982622008/episodes/16817139558629501389

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