第13話補足:「地政学」のご紹介
第13話は、いわゆる地政学とよばれる学問の基礎的な話になります。世界地図を見渡してみると国境線ってウネウネしているようにみえますが、だいたいはそこに「川」があったり「山脈」があったりします。こういう国境線とかがどうやって決まるのか? みたいなことを考える学問が地政学になります。ただ今回の話は、地政学のほんの一部の話です。地政学はもっと幅広くて難解な学問になのですが、この補足では、その一部をわかりやすく肥大化して話していますね。
ということで、第13話ででてくる地形は、カタルーニャ地方、バルセロナ周辺を下敷きにしています。
スペインがあるイベリア半島は、イスラム教の国家に支配されていた時がありました。そして、キリスト教勢力であるフランク王国(今のフランス)とイベリア半島を征服したイスラム国家(ウマイヤ朝)の国境線は、イベリア半島にあるピレネー山脈によって決まっていました。ちなみに今のスペインとフランスの国境もピレネー山脈で決まっています。
次にイベリア半島を航空写真でみてください。すると、唯一、カタルーニャ地方(バルセロナ周辺)だけピレネー山脈が低く、人の移動が容易であることがわかります。そう、こここそが、唯一のイスラム勢力がフランク王国を軍事的に攻めることができる要所だったのです。
ちなみにこの頃のイスラム国家の軍事力は強大でした。だからこそ、フランク王国は、そんなイスラム国家であるウマイヤ朝と国境を接することを恐れたのです。そこでフランク王国は、カタルーニャ地方をフランク王国に編入してスペイン辺境領と定め、フランク王国を守る盾として利用したのです。そう、このスペイン辺境領こそ、ウマイヤ朝とフランク王国の緩衝地帯になったというわけです。
また、中間貿易国としてのくだりは、今のイスタンブール(コンスタンティノープル)を下敷きにしています。世界地図を見ればわかりますが、イスタンブールは、イスラム社会とキリスト社会を結ぶ玄関口でして、アジアとヨーロッパをつなぐ交通の要所なります。特に、大航海時代前、インド航路は発見されていませんから、地中海からの荷物をここで荷揚げして陸路で運ぶ、アジアに商品を運ぶみたいな形で運用されていたみたいです。
この地理的なメリットをいかしてイスタンブールは大いに栄え、ここを首都とした東ローマ帝国が380年から1453年まで続くミレニアム国家であったことを考えると、歴史において立地って大事なんだな、と思えてきませんか?
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第14話:戦争について考えよう
https://kakuyomu.jp/works/16817139557982622008/episodes/16817139558101178795
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