玄関が動く家
仲仁へび(旧:離久)
第1話
その家に入った時に、気が付くべきだった。
引っ越して一日で、まさかこんな事態になるとは。
紹介された家の中で異常に安い家だとは思ったが、まさか人を閉じ込める家だったとは。
何か昔、人が死んだとか、事件でもあったのか?
それで怨霊がとりついて、新たな住人を家から出さないようにしているとかだろうか。
俺は、玄関があった場所を見た。
そこに今は玄関はない。
あるのは壁だけだ。
色々な部屋を調べてみると、浴室やリビングの壁に玄関が一瞬だけ現れる事があったが。
目が合った(?)とたん玄関は消えてしまった。
別の場所に移動しているのだろう。
このままでは俺はこの家から一生出る事ができない。
普通なら恐怖で発狂してもおかしくないだろう。
しかし。
「玄関はっ! 自分でつくるものっ!」
俺は武道の世界大会の出場者。
拳を作って気合を入れる。
そして、手ごろな壁に向かってパンチ。
壁は見事粉砕されて、穴があいた。
特殊な力で空間がねじれているとかではないらしい。
歩くと普通に外に出られた。
俺は拳についた、壁の建材に息をふきかけて吹き飛ばした。
「ふぅ、俺を閉じ込めたかったら鉄筋コンクリートの壁にでもするんだったな」
さてこれから、家を紹介してくれた人間には、どうやって説明しようか。
玄関が動く家 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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