第2話 後半

彼女は、律儀に脱いだ制服を畳む。

畳んだ制服をカバンの中に入れるのと、引き換えに練習着を取り出した。


こともなげにその練習着を着る。

なんか意外にも単純作業のようで、見ていて味気なかった。

私としては、もう少し彼女の白い肌を見ていたかったのだが、仕方がない。


さて、前座が終わったのだ。次は本丸だ!

彼女はスカートを履いている。つまり、パンツが拝めるかもしれない!


しかし、ここで問題が一つ。

それは、彼女が練習着の短パンをスカートを脱がずに、履いてしまう恐れがあることだ。これは由々しき問題である。

もし、スカートを脱がずに履てしまったら、私はパンツを見ることが出来ない。今夜のおかずを如何にせん。股関問題上、それは重要な事である。しかし、これは私がどうこうできる問題ではない。


私は神に祈った。

別に私は無神論者ではないが、基本的に神仏には頼らずにいる。自分の努力の量によって結果が決まると信じている。

神に頼るのは、電車でお腹が痛いときだけ。


そんな私が神仏に祈った。

十字を切り、念仏を唱えた。


運命の時が近づいてくる。

彼女が鞄から短パンを取り出した。


汗が額ににじむ。

のどが渇き、唾をのむ。


彼女が短パンを机の上に置き、

スカートに手をかけた。


勝った。

ありがとう。神よ。


腰にかかっているフックが外れた。

スカートが重力により、ストンと落下する。


彼女は黒いボクサーパンツを履いていた。

一般的に思い浮かべるパンティではなくて少し残念だったが、スポーティーな彼女には不思議とそれが似合っていた。

そして、その黒さが彼女のお腹の白さをより際立たせる。陽骨の上に走る筋肉はしっかりと鍛えられ、それにより腹部の脇を二本の線が鼠径部に向かって引かれる。

そして、見るべきは太ももだ。

ズボンの日焼けにより太ももの半分くらいは健康的な色をしているが、そこから上は彼女本来の白さが残っている。

その裏を見れば、鍛え上げられたハムストリングスが彼女が動くたびに、太ももに線をいくつも引く。


私はほれぼれしていた。

最初は不純な動機で彼女を見ていたが、鍛え上げられた身体を見せられて、そんな彼女をこそこそと見ている自分に少しはずかしくなった。

彼女を応援しよう。その時、心からそう思った。


とは、言ってももうここまで見てしまったし、

途中で見るのをやめるのも勿体無いので見続けよう!


彼女は脱いだスカートから足を抜き、スカートを取るために屈んだ。

この時、彼女の胸は膝に押し付けられ、膝は閉じられていたが、彼女のおしりがうしろに突き出された。まったく無駄肉のないおしりだ。鍛え上げられているのが分かる。


スカートを拾い、しっかりと叩いて鞄にしまわれた。

短パンを広げ、片足立ちになって足を通す。

このとき、バランスを崩しそうになったが、太ももの裏の筋肉が波打つように動いて彼女の体を支えた。ちょっとおっちょこちょいなところがまた愛らしい。


そんなこんなで彼女の着替えは終了した。

着替えが終わると荷物を持ってそそくさとどこかに行ってしまった。

練習をしにグラウンドへ行ったのだろう。

彼女の体を見てからはそれが断言できる。


不純な動機から彼女の裸体を視ていたが、最終的にはその身体は不断の努力と熱意によってつくられていることに気付かされた。

いやらしい目で見ていたはずが、彼女の体を見ているうちに、なんだか中途半端な気持ちで見てはいけないようなものを見ている気がした。

そして、陸上への熱量を間接的に見せつけられた気分である。


とりあえず、今度から彼女に陸上の話を聞いてみよう。


ちなみに、定期券は学校に落とし物として届けられていた。

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玉の肌 @pc03

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