座る——昔のサムライはじじいになっても姿勢のいい人が多かった。なぜか?2

 大原則として、筋肉ってのはただ存在するだけでカロリーを消費します。

 つまり、一度筋肉を付けてしまえば、あとはそれを維持するだけの軽い運動を続けるだけで筋肉さんが勝手にカロリーを使ってくれます。なんて効率が良いんでしょう。

 この仕組みを利用しない手はありません。


 人体の中で最も筋肉が集中するのは脚だといいます。ほぼ全体重を支えて移動させるためですからね。脚は筋肉が多くないといけない。

 では脚の次に筋肉が多いのはどこか。


 それは背中です。

 本来哺乳類は四足歩行をしていました。

 背中ってのは視界に入りにくい部分です。外敵からの攻撃を素で受け止めなきゃいけません。


 それにヒッティングマッスルといわれる部分も背中にあります。人間は両手で道具を使うことで生物の頂点に立ちました。

 棍棒で相手をぶん殴る。素手でぶん殴る。両手で相手を押さえ込む。遠距離から石を投げて相手を仕留める。


 これらは全て背中の筋肉が大きく関わってきます。

 打撃という面においては、腕がぶっとくある必要はそれほどありません。


 まずは背中の筋肉量こそが重要なのです。

 でもそのために毎日ジム通いしたり、毎日背筋100回とかは疲れますよね。


 だからまずは座り方を変えるのです。

 どこにも寄りかからず、肘なんかもつかず、ただ腰骨から頭蓋骨にいたるまで、背骨をシャッキリまっすぐ伸ばして座るだけ。


 これをやると何が起こるか。

 自分の上半身というものを、筋肉の力だけで支えることになるのです(厳密には100%ではありませんが)。


 人間の上半身って結構重いですからね。まあ人体をバラしたことがないんで具体的に全体重の何パーセントくらいかはわかりませんけど。


 例えばソファに寝そべるように座ると、どこで上半身の体重を支えることになるのか?

 座面ですね。背もたれですね。だらりと寝そべっていたら筋肉なんか1ミリも使わないでしょう。


 では椅子に座って背もたれに寄りかかると、どこで上半身の体重を支えることになるのか?

 これは背もたれですね。事務用の椅子でフルバックのは珍しいんで、頭の重さだけは首や肩の筋肉で支えることになると思いますが。


 で、みなさん椅子に座るときって、だいたいはモニターやノートや本なんかを見るためじゃありませんかね。

 で、その時に知らず知らず、背中は丸まって、頭部は前に出て、アゴを突き出して——みたいな座り方になっていませんかね?


 これって例えるなら、釣り竿が大きくしなっているようなものなんですよ。

 釣り竿が人体のどこに相当するかというと、背骨ですね。

 つまり、背中を丸めるこういった座り方も、ろくに筋肉を使っちゃいないわけです。


 で、こういう座り方は今すぐやめましょう。


 ただ座る時にどこにも寄りかからず、背中をシャキッと伸ばすだけ。

 これだけで背中に自然と筋肉が付いてきます。


 これを毎日続けるだけで、筋肉を維持するのには充分です。

 あとは起きてる時も寝ている時も、筋肉さんが勝手にカロリーを消費してくれます。


 簡単ですね。便利ですね。

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