幼少期の親友、河野マイコちゃん。
たから聖
第1話 私の親友、マイコちゃん。
河野マイコちゃん。
家が近所で……マイコちゃんの
性格は大人で運動神経も抜群だった。そして体もシャープで……
ただ一つ問題なのは、鼻水を
垂らしていたことだった。
でも、鼻水を……と言うことは、私には関係無かった。
小学校が終わると、上級生の友達や、マイコちゃん、みんなで
ゴム跳びをしたり
かくれんぼしたり。大人の真似をしたりして、真っ暗になるまで
たくさんたくさん楽しい時間を
過ごしていた。
マイコちゃんは、私と同じく
近所の珠算教室に通っていた。
そして。帰り道……
珠算教室では、向かえにある
タコ焼き屋さんのタコ焼きが貰える、タコ焼き券
をみんなが貰えるので、タコ焼き屋さんは……大繁盛だった。
北風が吹く寒い帰り道に、
珠算教室からの帰り道……マイコちゃんと私は、タコ焼き券が
無かった時は、
2人でタコ焼き屋さんに入り、
貧乏ゴッコをするために
1個10円のタコ焼きを1個だけ
買い、北風に吹かれながら
背を丸めながらも1個のタコ焼きを、半分コにして笑いながら
『貧乏な2人の少女は、1個のタコ焼きを、仲良く分け、食べていた。2人の少女は、、、、。』
と……なぜか
『2人の少女は。』と言う
語り出しが、マイコちゃんは
気に入っていたみたいだった。
マイコちゃんは……実家が九州だった。一度船に乗り、釣りに連れて行って貰えたこともあった。
マイコちゃんちの仮住まいは……ウチと比べても、近所と比べても、決して裕福では無かった。
ウチが近所中で……一番金持ちだった。私のお兄ちゃんは
私とマイコちゃんが親友だと
言うのに。マイコちゃんの悪口を家で言う。
そうそう。鼻水が垂れてるから
『だらん子ちゃん。』と言っていた。自分は、ポテチとコーラを
毎日喰らう百貫デブなのにな。
小学校時代は……目立ったイジメもなくて楽しかった。
男も女も無くて、好きなモノは好きと言えて。
苦手なモノは、ソレはソレ。
噂になる程度だった。
マイコちゃんは……ある日突然
近所から消えた。
もちろん、実家の九州へと家族みんなで、帰る為だった。
突然の大親友との別れに
私は……ただ、ただ、
ぼーぜんとした。
私の学生生活は、その後一変した。マイコちゃんと一緒に
運動してたので、
動くことも無くなり、
貧乏ゴッコもしなくなり、
元々、食べるに困らない家だったから暇な時間は全て食べることに移行してしまった。
マイコちゃん。
私には、引っ越し先は……
九州って話しただけで、手紙欲しいとか言わなかったよね?
私は……マイコちゃんに
嫌われてたのかな?哀しかった。
大親友が居なくなると、
遊び相手も、余り質の良くない子達が集まってくる。
もちろん、ウチに豊富にある食べ物目当てだった。
商売をしていた両親は……
マイコちゃんの事を、余りよく
思ってくれなかった。
突然消えた、マイコちゃんの
存在価値は……とても大きかった。
その後の学生生活は、
悲惨な一言だった。
イジメ。差別。悪口。イタズラ。
散々、体系の事を言われた。
もちろん、体系以外のイジメも
あった。
九州へと引っ越して行った
マイコちゃんは……私のこと
想い出してくれるかなぁ?
マイコちゃん。
マイコちゃんが、居なくなると
私の人生は……とても荒波の中だった。マイコちゃんをもっと
大切にすれば、よかった。
マイコちゃんが消えてから
上級生とも遊ばなくなったよ。
ゴム跳びの時は、抜群の運動神経だったから、
みんなから尊敬されてたね。
鼻水を垂らしてだけど。
太陽みたいだったマイコちゃん。
私は……ここに居るよ!
マイコちゃんに逢えたら
『ごめんね。』って伝えたいな。
幸せに暮らしてるだろうね!
あなたなら。
私も、幸せになるからね!
ありがとう!ごめんね?
マイコちゃん。
了
幼少期の親友、河野マイコちゃん。 たから聖 @08061012
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