第55話 冒険
侵略者に対抗する為にいくつか策を考えてみた。
まずは指南役を探す。全体の戦力を底上げするだけではなく、今指導をしてくれてるハルの力も伸ばすことができるはずだ。さらに戦術の指導もしてくれる人材であることの方が望ましいね。なにしろここにいる全員森育ちで本での知識は教えているが実践の伴っていない指導なので練度が決して高くない。
課題としては周りに集落がないので探すのが難しいのと僻地に来てくれないのではということがある。そして報酬として払える物がないというのもあったりする。交易をする権利とか言っても来てくれる武人はいるはずがないよな。まあ、ここは誘いたいと思った人が欲しいものを報酬にすればいいのかもな。
そして、もう一つの策として森全体に魔法陣を形成して戦場をこちらの有利なものに作り変えてしまうというものだ。ある本の中に一つの記述があった。
"聖都に迫り来る悪魔を打ち倒す為に信徒たちは魔力を集めた。すると都は光り輝き悪魔は勢いを失い、兵たちの勢いは増した。"
これはとある歴史書の聖都を巡る人間と魔族の戦争の章にある一節である。僕が思うには街自体が魔法陣の役割を果たしていて、大きな魔法が発動したということなのではないかと分析した。他の歴史書でも同じように魔族に不利になり人間に有利な状況になったことが書いてあったので、その聖都に行って古き時代の魔法陣を学ぶことができるのではないかと考えた。
これら二つの策を実行に移す為に冒険に行くべきだと考えた。目指すは聖都と呼ばれる都市。
そこに向かうため僕は分化を用いて分身を作り、侵略者の砦の逆方向へと冒険を始めた。
転生者、木になる。 ずんどこたろう @zundo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。転生者、木になる。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます