第5話

 爆睡してる間だったが、夢を見たー。。


 王子様らしき人と私が仲良く手を繋いで庭園を散歩して愛を語り合う夢ー。


 目が覚めて、何という夢を見たのだ!と

思った。

 起きた時、ここがどこなのか忘れていたがけど、隣で眠るリスを見てハッと思い出す。


 その後すぐリスのキャサリンも起きた。

 キャサリンは起きてすぐ泣き出した。


 「どうしたの⁉︎どこか痛いとか?大丈夫?」

 心配して声を掛けると、

 『痛くはないです。すみません、なんか変な夢を見てしまって…。私、好きな人がいるはずなのに、違う方と愛を語らったりなんかして…自分で情けなくなってしまいました。』


 もしかして同じ夢…?

 私はピンときた。


 「これは魔女の策略だわ。私も同じ夢を見たの。ううん、の。

 多分、洗脳して私達にバチバチのバトルをさせる気なんだわ!

 だから、気にしちゃダメよ!」


 私の言葉にキャサリンは、泣くのをやめてスッと前を見つめる。


 魔女の目論もくろみとは裏腹に、私達はより結束を強くして、ゴールの最上階へ向かう。


 途中に会うキツネの数がどんどん増えるし、迷路も細く入り組んでてどんどん難しくなるが、それと比例するように手に入るアイテムも増える。アイテムのおかげでキツネを回避したり、運も味方につけたりで、順調に進んでいく。


 眠る度に魔女に、王子様との甘ったるい夢を見させられるが、そんなものに惑わされたりはしない。


 魔女が最初に私に言った通り、2人共かなり精神も鍛えられた。


 そして7日目のお昼前、とうとう最上階に辿り着く。


 目の前に魔女が姿を現す。


 〔おめでとうございます、お2人共。こんなに簡単にクリアされるとは想像もしておりませんでした。

 しかしながら、約束は約束です。貴女方が行きたい場所へ連れて行って差し上げます。

 アリシア様の時計でお分かりかと存じますが、貴女方の国から舞踏会へ出発なさるには少々時間が足りないように思います。

 ご褒美に、貴女方の従者もその場所へお連れいたしますので、ご安心を。〕


 「その前に身体を洗いたい。身支度もきちんと整えたい。」


 〔お預かりしたお二方のお身体をお返しした時、既に整うようになっておりますわ。

 舞踏会用のドレスや髪型をお選びください。〕


 私とキャサリンは目の前に出現したドレスを見て、久しぶりの煌びやかな感じに心が踊る。


 ちゃんと元の自分に戻り、ドレスアップしてお互いを見る。


 「キャサリン、胸でか!」

 『アリシア、スタイル抜群!』

 「ありがとう。男兄弟に挟まれて、鍛え上げてるんだ。」

 お互い初めて見る姿にうっとりしてる。


 いやいや、そんな時間は無い!


 私達はお互いの顔を見て、ウンと頷き、イッチ国の王宮近くへ続くと言われた光の中へ歩いて行く。


 場面が変わり、お互いの従者がいて、自然な形でそれぞれ自分達の居場所へ戻る。



 私達は迷路を抜ける間に話合った。


 きっと、舞踏会に着いて私達の顔をみて驚く人が犯人だろうと。


 イッチ国の方にご挨拶し、王女として必要な用事を済ませてから再び2人は顔を合わせる。


 私達は、辺りを見回し、すごく驚いた顔をしている人物を見つけた。


 ヨン国の王女か!


 さてこれからどうしてやろうか?

 楽しい武闘会になりそうだと、ワクワクして私達は気合いを入れたー。


**おしまい**

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ラビリンスを抜けて王子さまの元へ⁉︎ ニ光 美徳 @minori_tmaf

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