どきどきの次の日
「お陰で全く眠れなかった…。」
昨日あの出来事を見た後、咲希と普段通りに話せていたはず…。たぶん。
自分の席で本を読んでいると、教室が一段と騒がしくなる。時計を見るとあと5分でホームルームだ。私は、また遅刻するであろう親友への対策を考えなければ。彼女にだけは知られてはいけない。私はそう心に誓ったのだった。
キーンコーンカーンコーン
四限が終わり、お昼休みになった。
今日は授業の内容が全く入ってこなかった。
すると急に咲希が私の名前を呼ぶ。
「里奈、私先生に呼ばれてるから職員室行ってくる。多分長いからお弁当食べててもいいよ?」
「んーん。私も図書委員で呼ばれてるから待ってるよ。」
「わかったー。じゃあ、行ってくる。」
気だるそうに教室を出て行く。
急に話かけるのはやめてくれ…。びっくりした。
…あれは多分遅刻の話だな。
委員会の会議までまだ時間あるけど、早く行って本でも読んでるか。
そう思い、私も教室を出た。
この選択は間違いだったと後悔することになる。
今読んでいるシリーズ物の続きを借りようかな、と図書室への階段を登る。
あれは、犯人が個性的なんだよな。
「好きです。」
私は勢いよく背中を壁につけ、しゃがむ。
え?ええ?
また告白現場に遭遇?まさかそんな、、
というか、この声、沢崎怜では?
え?昨日も告白してましたよね?心変わり早くない?
一人で首をかしげていると、沢崎怜がまた話始める。
「俺、言ったよな。1日に一回必ず言うって。」
よかった。同じ人か。でも1日一回は振られるってこと?メンタルスゴ。
などと考えていて、ふと、思った。
相手誰だ?
あの沢崎怜がこんなに執着するほどの人物。
みてみようと思い、そっと覗いて見ることにした。
誰だよ!最初に勘違いしたやつ! 猫野ねごと @nekononegoto
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