終章
あれから、俺は感情が溢れ出した。
嫉妬、恋愛、憎悪などの全ての感情が押し寄せてきた。
なんという快楽。
これほど感情を表に出すことが気持ちいぃなんて最高じゃないか。
何が、倫理か。
そんなものは、最初から捨ててしまえば良かったのだ。
何が約束だ。
ふざけるな、約束なんて知るか。
俺は、もう感情のままに生きて、これまでのことを全て復習してやる。
俺を裏切ってのうのうと生きられると思うなよ。
はっ楽しいなぁー復讐実にいい響きじゃないか。
これも過去を再現してくれた神様や天使のおかげかもしてないな。
これほど楽しい思いさせてくれるなんて、
「あはっ楽しいなこの世の全てが、今まで通して感情を殺していたのだろうか。これほど愉快なことはない。やはりあなたは天使ですね。俺を導いてくれたのですから」
「加賀美さん…」
おかしいな?天使が、歪んだ顔でこちらを見てくる。
俺は、こんなにも楽しいのに。
「どうしたのです?コロエルさん?あなた方が望んでいた姿ですよー喜んでくださいよー喜べよーあはっ」
はっ怒の感情は、こんなにも発散できるのか。
そりゃこんな快楽を知ってしまえば、上司が怒鳴るのも分かるな。
感情のままに行動すればこんなに愉悦に浸れるのだから。
「ザウス様どうすれば?」
おっザウス様がいらっしゃるじゃないか。
ありがたやーあはっ
「こやつは、手遅れじゃ。もうこやつに用はない」
「酷いですねー神様ーいやザウス様。感情を取り戻せと言ったじゃないですかー。それで今度は捨てるんですか?これは酷い、あはっ」
「お主、鏡を見てみろ」
なんだ、こんなに楽しいに鏡を見ろなんて、喜んでいる顔しか出ないよ。
俺は、突然現れた鏡を覗き込む。
そこに映っていたのは、
「どうじゃ?笑っておったか感情通りの顔になっておるか?」
「ウソダァーーーーー」
そこに映っていたのは、感情のない表情だった。
「お主は、所詮その程度よ、人間として不完全で未熟者だ。そんな人間はこの世界にいらないのじゃよ。人間は感情をコントールして生きていかねばならん。一時の感情に身を委ねる?そんなの獣じゃ。喜び哀しみ怒り楽しみを自在にコントロールするものじゃ。コロエルよ殺せ」
「分かりました、さようなら加賀美直也さん」
俺は、天使の持つ大鎌で首を取られた。
最後に大鎌に映った自分の顔は、泣いていた。
完
感情創死 @hatimiya
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