10話
「すっごいですね! 坊ちゃま、今日は記念してセーニャ頑張って作りましたから!」
突然後ろから聞き慣れた明るい声が聞こえる。バッと振り返ると目が合う、反転したセーニャと。
ホント美人だよなーと的外れなことを思うが
……えっ、今さらっとヤバいこと言われなかった?
「いつから!? セーニャ、いつからいたの!?」
うわっとでかけた声を飲み込んで、普通するだろう質問をする。
「いつからだと思います?」
さっきの口調2人に聞かれたら意味ねーじゃん!
と冷や汗をかくが、一周まわって俺はもう気にしないことにした。こういうのは黒歴史を思い出して自爆するのと一緒だ。
恐る恐る本題に入る。
「ねっねねぇセーニャさっきなんか言ってたけど何を頑張ったの?」
どもるがとにかく聞く。諦めたらそこで
見た目は6
だが、現実は俺を逃してくれないらしい。セーニャの頬が今まで見たことないほど薔薇色に染まり俺の頬はどんどん脱色されそして青色に染められいく。
「はい、料理を」
俺はもう、諦めて彼女を眺めた。その顔は喜色満面で悪気がない。俺を見る目は尊敬とかそんな風な感情が込められているのが分かる。見つめていると、恥ずかしいのか頬を紅くして目を伏せる。これだけならもう、奇行も慣れてるし、普通に好きになれそうなのに……
……コイツ、マジで味見しろよ
これは至極真っ当な意見だと思う。
◇◆◇◆◇◆◇◆
刀カッターシリーズは水 氷 炎 風 と4種類がある。水、氷は威力に大差なしだった。
発見したが、炎刃は木が少し燃えたためやはり属性があるということだ。
――――残るは風刃だけとなった。
「そのたがいなき刃で我が敵を斬り裂け――――」
すると手に風が当たって存在してることが分かる。だが、少しそよ風みたいで擽ったい。余り見た目も全てにおいて強そうじゃない。
これでどうやって傷をつけるんだ……?
「風刃」
詠唱を終えても、手から風の感覚がなくなっても、木には傷がついてない。俺の思った通り風刃は威力があまり無い。
なんで、こんなのも魔法なんだ……?
「ねえ、どうして風刃だけ威力が違うの?」
ライザは苦笑いをすると
「すいません。私は魔法を使えないので……」
「私達は、貴族じゃないので……」
まぁ、そうだよな……当たり前だわ。
俺は昼ご飯の時間になるまでとにかく刃を撃ち続けようと思って、無心に撃ち続けた《現実逃避した》。
すると目眩がして、彼女たちに言おうとすると足がもつれて、体が傾く。すると地面がゆっくりと近づいて来ていた。
俺は倒れてるんだと他人事みたいに納得すると視界が暗転した。
俺にちゃんとしたヒロインを!! 高橋湊 @sokoniaihaaru
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