第9話 オカルトについての考え方
私の「実体験」はこれで終わりです。世の中にはもっと怖い話もたくさん流布していますが、それに比べるとたいした話ではないと思います。
残念ながら、眼の前にすごい霊や妖怪が現れて何らかのコミュニケーション(?)をとったとか、ましてや宇宙人や怪しげな動物を目撃したとか、そんなことはありません。
子供の頃から、オカルト関係の本を読むのは好きでした。学研の『ムー』は、創刊第二号から二、三年は毎月買っていましたか。高校生の頃です。友人からは「そんな本を読んでたら……」と言われたこともありましたが、「別に頭から信じてるわけじゃないし……」と答えた覚えもあります。
学生時代、小松和彦先生の「民俗学」の講義を聴いたことがあります。当時、『憑霊信仰論』が出版された頃で、若手として売り出し中の学者、といった感じでした。「犬神憑き」の話もその時、聴きました。今は民俗学者として「妖怪学の権威」と呼んでもいい方ですよね。
でも、小松先生だって、そういうものが「実在」するとは思ってみえないでしょう。私の場合も、そういうものが実在すると考える人間の心に興味がある、といってもいいと思います。
なんかそういう志向を小説に生かしていけないかなぁ、と思っております。短い文章ですが、ありがとうございました。
完
あれは何だったのか…… 喜多里夫 @Rio-Bravo
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