学校生活#9

 人の行動にはその人の気持ちが関わっていて、その気持ちには、何かしらの出来事が存在する。つまり人の行動にはその由縁となる出来事があり、ものなのだ。


 6時間目始まってすぐに小林先生に呼び出され事の顛末を聞いた。いろいろ質問されたり質問したりしたが、要約するとこう言うことらしい。


 昨日私は無断欠席をした。もちろんその理由を知っているのは私と理央さんだけだ。そして金曜日。北海君の発言で私はクラスの敵となった。しかしそこに現れたのは秋田君。北海君と秋田君は仲直りしているのだがクラスのみんなはそれを知らない。そして月曜日。私は学校を休んだ。クラスのみんなは考えずとも理由を察することができた。


 北海君が登校すると上履きが無かったらしい。クラスに入ってもみんなは北海君を無視した。多分金曜日の終わり、もしくは月曜日の朝早くに私の靴をどろどろにした人がいる。

その犯人は北海くんでは無い。でもそれを知らない人からしたら犯人は明らかだ。


 そしていじめている人がいなくなった時、次にターゲットとされるのは2パターンある。いじめていた人がいじめる人を変えるか、いじめていた人が皆んなからいじめに合うかだ。


 そんなことが起こるのは社会の汚さが証明している。人は皆、強い方に味方をする。味方が多いから強いのではない。強いから味方が多いのだ。そしてこんな社会の縮図はバランスの変化で大きく反転することもある。

 

 「先生」の存在だ。スクールカーストの最上位に位置するいじめっ子でも先生には敵わない。先生がいじめっ子の敵だと簡単に味方はいなくなる。そして先生に加担するように大人数でいじめっ子をいじめる。そしてそれはその前にいじめられていた人へのやり返しと言う免罪符付き。


 つまり、いじめっ子と認識された北海君は皆んなからいじめられ始めたのだ。そしてすぐ北海君は泣いて帰ったらしい。それを見た秋田君がクラスのみんなに反論する。盗み聞きした内容そのまんま。「あいつは悪いやつじゃない」と。


 しかしクラスの子達の目にはこう映る。「人によって立場を変え、自分の都合により他者を傷つける存在」と、、金曜日は北海君を殴り、月曜日は北海君のいじめを肯定する。そう映ってしまうのもしょうがない。そして北海君、秋田君、私、この3人は完全にクラスの輪から外れることとなった。


 普通なら私は被害者として皆んなから憐れまれ、慰められるのだろうが呪いは真実だ。好き好んでしんどくなりに行こうなんて人はそうそういない。


そして、北海君は逃げるように

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