呪われた子。#2
ロウデフ、、香、、、ごめん、、、、果物ナイフを手に取り両手でがっしり掴む
「何してんだ。」
「ん、、、、?」
振り返るとペンや文房具などを持った北海君がいた。
「ナイフを買うって持ち方じゃぁないよな?どうしたんだ、大丈夫、何かあった?」
「ほっといて。」
「流石にほっとけないだろ。涙の跡もあるし。」
「ほっといてって言ってるでしょ!」
冷静になんてなれるわけが無かった。呪いのこと、公共の場であることなんて忘れて叫んだ。
「落ち着けって、な?取り敢えず話してみ、」
そう言って近くの公園のベンチに向かった。いつもなら絶対そんなことしないのに全てを包み隠さず話してしまった。その際北海君は何度も頭を抱えたり、口を抑えたりしていたが気にせず話した。一通り話した跡こう言われた。
「まぁ、うん、呪いとか正直信じられないけど俺もしんどくなっているし、本当なんだろうな、、、、、」
「ええ、」
「まじで、俺相談とかされるような柄じゃ無いから大した事言えないけど、その、なんていうんだ?死んだら悲しむ人とかいるんじゃないか?」
「残念ながらそんなことないのよ。親は私を邪魔者扱いするし、香だってしょうがなくで友達になってくれてる。先生にだって迷惑になってるし、、、、」
「香はさ、そりゃお前のために友達になってるってのもあるけどさ、ううっ。死んだらそりゃ悲しむと思うぜ。相談して欲しかったって思うだろ?」
「そう、だけど、、、、さ、相手を苦しめる事には変わらないじゃない。」
ペチョ、ペチャァ、、、、オェェ
横を向いて驚いた。嘔吐していたのだ。
「だいっ、、、、ごめん、、、、やっぱり」
「はは、、、、大丈夫だよ。」
そう言って優しく笑ってくれた。でもその笑顔が、今は辛かった。中学校もう、行かないで良いかな、人を傷つけるのはもう嫌だった。誰でも関わらないで生きる方法はないのかな?北海君の嘔吐がひと段落ついた後はそのまま家に帰った。
いろいろ話して少し楽になったのだろうか、さっきより心が軽い、でも1人になると慣れたはずの孤独感が襲って来る。もうロウデフはいない、気楽に話しかける人がいなくなった。何もない静けさが少しずつ心を蝕む。その夜は時間も考えず部屋の隅で体育座りしていた。
「北海君、、、、優しかったな、、、、」
人を傷つける苦しさを久し振りに思い知った。翌日私は学校に行かなかった。
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