もう涙は止まらない#2

 呪いを解く方法、それは本当の愛を知る事らしい。でも知っている。私みたいな子を愛してくれる人なんてこの世に存在しないことを。その事実も受け入れたつもり。でも、ふと思うのだ。呪いが無かったら普通の人のように生活できるようになるのでは無いのかと。




 次の日は学校にも行かず自分の部屋の隅で座っていた。完全な放心状態で何も感じられな無かった。何かを考えてしまうとまた気持ちが溢れてしまうから。もう夕方だ、朝ごはんも昼ごはんも食べていない。

 何も食べないまま1日が過ぎた。何度もため息をつき頬を濡らす。そして時計を見てまたため息をつく。黙ってキッチンに向かいナイフや包丁を探す。この前の件でやっぱり刃物は何も無かった。そして次は物置き場に向かう。


「ロープロープ、、、」


そこにはロープと一枚の手紙があった。


ピーンポーン、


 その手紙とロープを手に取った時にインターホンが鳴った。どうせ死ぬんだインターホンになんて反応する必要なんかないだろう。

 そう思ってロープを括り、椅子を用意し天井に吊るす、その光景は寂しかったが、なぜか温かく見えた。ゆっくりロープに首を通す。


ピーンポーン


 首がローブの細い糸と擦れる。そして椅子を倒す、これでやっと終わりなのだ。その時、倒れた椅子の衝撃で手紙が開き、視界に入った。


(お嬢様へ、

この手紙を見ていると言うことは死のうとしているのですね。でも、私は


です。私は です。お嬢様と過ごした時間は私の中で で、 でした。だから

          。   ロウデフより)


 首が締まりしんどくて文字が見えない。見えない部分を見てみたいと思った。ロウデフの私への気持ちを知りたいと思った。もし,もし許してくれるのなら、私は私の罪を償いたかった。ロウデフが言葉をかけてくれるのなら。


ブチッ、、、


 天井に強く結びつけていたはずのロープが切れた。やっぱり私は死ぬことが許されないのだ。死んで償うなんて甘い考えだったのかもしれない。そして落ちた手紙を見る。


(お嬢様へ、この手紙を見ていると言うことは死のうとしているのですね。私はお嬢様の辛さもしんどい気持ちもわかりません。でも、私はお嬢様には死んでほしく無いですし、死のうともしてほしく無いのです。私は強欲です。お嬢様と過ごした時間は私の中でとても大切で、かけがえのないものでした。だから私にはあなたに自信を持って生きてほしい 。ロウデフより)


 涙が流れた。でも今までとは違う悲しさもあるがどこか優しく温もりのある涙だった。


ピーンポーン


  私はまた生きてみようと思えた。

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