先輩の助手席

「おまたせ! 待った?」

 その男は赤いオープンカーに乗って現れた。

「いえ、待ってませんよ。それで、今日は何処に行くんです?」

「とりあえずお台場かな!」

 愛車のオープンカーを乗り回し、社内でも人気の高い先輩。俺は彼によく連れ回されている。おそらく彼の愛車の助手席に一番乗っているのは俺だろう。

「じゃあ行こうか! さあ乗って!」

 そして連れて来られたのはお台場、ガンダム像。

 そう、ガンダム像。

 先輩はロボットアニメオタクだった。社内でもモテるくせに、恋愛には全く興味を示さず、専ら趣味に没頭している。俺もガンダムを始め、ロボアニメは好きだったから先輩の良い話し相手になっているという訳だ。

 ガンダム像を自前のカメラで撮った後はいつも通りガンダムベースに行く。

 先輩は子どものように無邪気な笑顔を俺に向けている。こんな姿を女子社員が見たらギャップ萌えで更にファンが増えてしまうだろう。


 今日も今日とて貴重な休日を先輩に捧げてしまった。

 でも、男二人でデート(?)というのも悪くなかった。




                                 終わり

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社畜 夢水 四季 @shiki-yumemizu

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