オタクの社畜
眠れない。
布団に入って数時間が経過しようとしている。明日も朝から仕事なので、早く睡眠を取ってしまわないといけないのに、眠れない。眠れないのだ。
羊でも数えるか、こんな古典的な方法で眠れるのかは分からなかったが、とにかく試してみることにする。私は布団の側にあるCDコンポを起動しCDを入れる。声優が羊を数えてくれるシリーズだ。安らかなBGMが流れ、推しの優しい声が聴こえる。
最後のトラックになった。眠れるか! 推しの声を聞き逃せる訳ないだろが!
このCDの企画を考えてくれた方には申し訳ないが、正直そういう同士は多いのではなかろうか。
さて、もう仕方ないので空想でもすることにした。
空想の中のリトル私は探偵七つ道具の一つであるルーペを取り出した。殺人事件のあった部屋の中を隈なく探す。むむ、この毛髪は! この紫に染めてある髪の毛の持ち主はお前だ! 容疑者の一人を指差す。トリックを考えるのは面倒なので割愛し、容疑者の女がめそめそと泣きながら動機を語る。失恋の恨みが募ったとのことだ。
その後も悪役令嬢に転生する空想、オフィスラブの妄想など色々と繰り広げていたが、一向に眠れない。
外は明るくなり、いつの間にか起床予定時間の十分前になっていた。
終わり
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