社畜

夢水 四季

派遣社員

俺はしがない派遣社員だ。もうすぐ契約満了を迎える。今やっている案件が上手く行けば契約の延長はしてくれるはずだ。

仕事の完成度を高めるため、今日も今日とて自宅で残業をしている。深夜も仕事のパフォーマンスを落とさないようにカフェインを摂取する。もうすっかり中毒になっている。

「ふう、今日のノルマ終了~」

 俺は大きく伸びをしつつ、仕事用のパソコンを閉じる。

「さ、今日も始めますか」

 仕事用パソコンを脇に追いやり、趣味100%のパソコンを起動する。自分でカスタマイズしたゲーミングPCだ。オンラインのサバゲを起動しヘッドフォンを付ける。

 聞き慣れた、いつものBGMでテンションが上がる。


 気付いたら朝陽が昇っていた。

「やべっ、もうこんな時間⁉」

 俺は急いで身支度を開始する。仮眠は満員電車の移動中。もうベテランなので立っていても寝られる。


「え、契約終了……?」

 俺の頭の中が一瞬真っ白になった。

「すまないね、最近の情勢を鑑みての判断だ。君には頑張ってもらっていたんだが……」

「……わかりました」

 

 俺の人生のスーパーハードモードが始まった。

 まずは直近の課金代を稼ぐために適当なバイトを探さないと。




                                終わり


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