第17話 レッツラブコメ
「ねえ、pちゃん。今日習い事じゃ無かったっけ?」
理科先輩が、思い出したようにそう言った。学は一瞬鬱陶しそうな顔をしたが、俺の方に向き直した。
「お兄ちゃんごめん。今日は花嫁修行の日だから…。帰るね?またね?女に近づいちゃだめだよ?」
そう言い、何度も振り向きながら、学は迎えの車に乗って去って行った。
流石に学はやりすぎだな。みんなに一言謝っておこう。一応、お兄ちゃんだしな!
「もうあいつが犯人でいいと思うんだけど。」
「それな。」
「冤罪って、バレなきゃ実刑だよね?」
「罪を捏造すればいいんだよ。みんなが信じれば、それが真実になる。」
「嘘から出たまこと」
教室で物騒な話し合いが行われてた。
「え、ごめんって!何⁉︎そんなに怒ってるの?」
流石にここまで怒るとは…。ちょっと謝れば許してくれるかなって思ってた俺が馬鹿でした。
「ねえ、スミスくん。」
「な、何でしょうか…?」
ウミンの、いつもの朗らかな感じも何処へやら。後ろに黒い影が見える気がする雰囲気です。怖いです。
「このシスコン。」
「⁉︎」
「私以外の女とも婚約してるなんて!」
「⁉︎⁉︎」
「イスラム教徒の多い国だと重婚も可能だから…。国籍とろっか?」
「⁉︎⁉︎⁉︎」
なんか話が進みすぎてて怖い。
「ウミン。私たちは親友でしょ?貴方と、高校も、性別も、キーホルダーもお揃いなんだから。結婚相手も一緒ですよね?」
「…⁉︎」
なんか増えた。ワカメじゃないんだから…。
「ちょっと待って。スミスくんは、一生アタシのモルモットになるって契約したんだから。なるべく医療が発達した国にして欲しい。」
言ってないし、理科先輩になんの実験されるのか聞きたくもない。命に関わるタイプの薬飲まされそう。
「え、スミくんマジで僕のこと男だと思ってる?ネタじゃなくて?」
Englishは、俺の肩をガンガンと揺らしながら涙目で聞いてくる。
「え、えっと…。みんなそんなに急にどうしたの…?」
あまりに急にみんな対応が変わり、困惑してしまう。他のみんなも、深夜テンションだし、混乱しているのか?
「だって、私スミスくんのこと、好きなんだもん!他の女に取られるなんて、あり得ないし!」
ウミンは、ちょっと怒ったようにそう言った。…え、今告られた?
「私がスミスくんと結婚するの!婚約だって出会ったその日に済ませちゃってるし!」
「え、それマジで言ってたの⁉︎」
ウミンは当たり前でしょう、と言わんばかりの顔をしていた。
ケアレ・スミスを愛してる!!! ぐらにゅー島 @guranyu-to-
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