その後


 ――あれから数か月が経った。


 

 一線を越えた後も、愛奈のおっぱいを揉む生活は続けていた。

 と、その甲斐あってか、少しだが大きくなったんじゃないかと俺は思う。



 その日、二人で話をしていると、友人がやってきた。


 「おーっす! 二人とも……ん? んん?」

 「なんだよ、じろじろ見て」


 俺を見てるというより、愛奈の胸元に目が行ってるんだが。

 というか、人の彼女をそういう目で見ないで欲しい。


 友人の目を潰すべきか迷っていたら、ソイツは首を傾げながら言った。


 「揉まれたからか?」

 「は、なんだよ急に」

 「いや、板野さんのちっぱいがおっぱいになりかけてるなと思って」

 「……言い残す言葉はそれでいいんだな?」

 「もしかしてお前、揉んだ?」

 「おい、本人がいる前でそういうこと」

 

 友人の胸倉を掴もうとして、それを遮るかのように愛奈が胸を張った。


 「そうよ、和己に大きくしてもらったの」

 「ぶふっ! ちょ、お前なんでバラして」

 「なんだとーーーーー!!」


 うるっさいな、鼓膜破れるだろ。耳元で叫ぶな。

 だが、当の本人は俺の胸倉を掴んでくると、食ってかかってきた。


 「おまっ、お前ってやつは! オレがどんだけおっぱいに憧れがあると思って、どんだけ揉みしだきたいと思って、でも彼女できないから未だにおっぱい童貞であるってのに! お前は! 揉んだだと!? 板野さんと乳繰り合っただと!? オレの許可なくおっぱいに手出ししただと!?」

 「血涙流すなよ……」

 「――ハッ! 待てよ? ……お前と握手を交わせば、オレも間接的に板野さんのおっぱいを揉んでることになるのでは? てなわけで、握手させろーーーー!!」

 「するか、死ねっ!」

 「ぐふぅ――!!」

 

 とんでも理論をぶちかましてきた友人をぶん殴り、床へと転がしてやる。

 まったく、油断も隙もないやつだ。


 大きくため息を吐き、椅子に腰かける。

 そんな俺の耳元で、愛奈がささやいてきた。


 「……ありがとね、守ってくれて」

 「まぁ、な。間接的にでも、お前の胸を触られるのとか、嫌だし」

 「私は和己に気にかけてもらえて、幸せかも」

 「俺は愛奈に愛されて、幸せだけどな」


 「ちぐしょぉぉぉっ! いちゃつくなぁぁぁぁ!」

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幼馴染みが、おっぱーいーつを始めた みゃあ @m-zhu

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