第1話

少しグロ注意です。苦手な方はお気をつけ下さい。

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 気がつくと自分はうつ伏せの状態だった。

かすかに目を開けるもその視界はグラグラと揺れているような酷い眩暈めまいがする。


「・・・・・・・・・・」


 朦朧もうろうとする意識の中、近くからなにか音が聞こえることに気がつく、少し首を動かし揺れる視界の中見ると離れた場所で雨が降り出していることが分かった、このままいればまず間違いなく濡れてしまうだろう、と思った。するとまだ意識ははっきりとしないというのに早く屋根のある所へ行かなければと、何故か分からないがそう感じ体に力を入れ立ち上がろうとする、が身体に力が入らない。立とうとしてもすぐに力が抜け上手く動くことが出来ない、それでも必死に身体を動かしなんとか這いずるように進み屋根の下まで来ることができた。ほんの数メートルの距離が無限にも感じた。


「・・・・・・・」


 壁に手をつきゆっくりと立ち上がり辺りを見回す。ここは何処だろうか。周りは様々な物に溢れている、割れていびつな形になった板、元の形が分からない鉄屑をはじめ大小様々な物...いや正直に言おうゴミだ。もはや何にも使えないであろうゴミ。視界の端から端までゴミが落ちていて見れば自分が雨宿りしている場所も他より少し高く積まれたゴミの山の近くだった。


「・・・・・・・・・」


 ふと自分の身体を見てみた。体中傷だらけだ、手や足などはまだ血が出ている部分もある、だが幸いというべきか痛みはあまり感じない、鏡などは無いので顔の方は分からないが今はいい。


「・・・・・」


 そんなことをしていると徐々に記憶が蘇ってくる、思い出すのは顔も分からない神とおぼしき存在のこと。確かにあれによって自分は謎の穴に落とされこのゴミの中にいる、それだけは分かった。


「・・・」


 そうこうしてるうちに俺のいるところも雨が降りはじめた。思い出すことを中断した俺はふと先程まで自分が倒れていたところ、いや正確にはそこから5メートルも無いところにあるそれを見た、見てしまった。


 そこにあったのは端的にいえば死体だった、それも人間の、男か女かも分からない、虫がたか所々ところどころ腐り落ちた人間の死体...それが広がっていた。それは名前を付けるなら『死体の海』としか言いようの無い光景だった


「…ッ、おぇ…」


 俺はそこでうずくまり、胃ごと口から吐きだすのではというぐらいに吐いて吐いて吐きまくった。

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異世界奴隷転生〜強化魔法の使い方〜 時計男 @matugirou

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