異世界奴隷転生〜強化魔法の使い方〜

時計男

序章

 ふと目を覚ましたら世界が白く見えた。

ここはどこかと考えようとするが考えがまとまらない、というより頭が働かないのが近いのか?そんな考えもすぐに消え、疑問に思うことも出来ない。

 周りを見ればなにやら光っている?玉のようなものがいくつか浮いている、それがなにかと考えようとしてもすぐに頭の中から消えてしまう。


 どれくらいたったかわからない、またふと周りを見ればいくつか玉が増えているように感じた。そうやって周りを見たりしていると

一部の玉がゆっくりと動きだした。何故か自分も動かないとと思いそれのあとに続く、

進む先を見ればなにやら人?のような存在が光る玉に向かってなにかをしている。


 何故『人?』のようと言ったのかといえば輪郭りんかくしか無かったから...とでもいうのか、頭だろうという部分もあり腕と思われる場所もわかる、がその詳細がわからない

どんな顔なのかはもちろん腕が細いのか太いのかもわからない、幼児が描いた絵のような

存在がそこにはいた。


 その人らしき存在の前を通った光る玉はそのままゆっくりと進んでいく、まるで工場だ。そう考えている内に自分の番が近づいて来ていた、なにも考えずただゆっくりと進んでいく、そこまで来てその人らしき存在が玉になにかをしているのが見えた、腕のようなものを伸ばし玉に手をかざすかのようにしている少したつと手をどかす、すると玉が進む

先程は工場のようと言ったが検問と言った方が正しいかもしれない。


 そうこうしてるうちに自分の番が来た。

人らしき存在が手をかざしてくる、俺はそれをぼんやりと眺める。手がどかされたら進むのかなとかは思っていたかもしれない。しかしそこでいままでになかったことが起きた。

人らしき存在がまるで驚いたかのように動いたのである。なんだろうと思っていると不意に聞こえてきたその言葉に俺は呆然ぼうぜんとした。


『なんだこの魂めっちゃきたねーんだけど』


 喋ったということにではない、その内容にである。魂?どういうことだ?俺のことか?死んだのか俺は?いままでのぼんやりと頭が急に動き出す。何故死んだ?いつ死んだ?

これは夢か?それとも本当に?などと考えていたが事態は進む。


『こんなきたねーのに戻したらまた掃除しなきゃじゃんダリィな』


 掃除?なにを言っている??なんのことだ?


『つーか触りたくねーしどうすっかな..あ』


 そのあとにでた言葉は信じられないものだった。


『いいや見なかったことにして捨てちまえ』


 そして俺は悟った。

コイツが神かそれに近い存在だということ、

そしてろくでもないヤツであることを


 そうして、臭いものに蓋をするように俺をいつのまにか開いていた穴に落としまた手をかざすかのような作業に戻ろうとするアイツの姿を最後に、俺は意識が途切れるのを感じた。

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