第1章のあらすじ/主要人物紹介

※注

 読者がエピソード一覧を見た時点で『キリの良いところまで更新済である』と分かるように第1章の最後に追加しました。第2章を読む前に一読する備忘録のつもりで書いています。

 それはつまり、読者の皆様が第2章を目にするまでには、第1章を忘れるほどの時間を要する……そう宣言しているのと同じことでありまして。気長にお待ちいただけると幸いです。




第1章のあらすじ


 失声の少女スティープルは十二歳にしてヴェラム王国兵の職務に就いていた。そんなある日、彼女は王城地下に隠されていた扉の封印を解除しようとした疑いで処刑を宣告されてしまう。扉の先には王国を滅亡させるとされる禁忌が存在しており、スティープルはその封印を解除するために生まれた存在だと言う。自らの存在意義に絶望したスティープルだったが処刑寸前、生への執着心から能力が覚醒。それは武器や魔法と異なる一個人だけの能力、プレーン能力と呼ばれるものだった。『ファングド・ファスナー』と名付けられた能力は、生物や物質に口を出現させ、本音を吐露させるものだった。

 奴隷商の力を借りてヴェラム王国から脱出したスティープルは、二重人格の少年チョキと共に隣国パーチメント王国へとたどり着く。当面の生活費や、衣食住といった生活基盤を手に入れるため、彼らはギルド・カートリッジを介して依頼を受けることとなった。

 依頼内容は『奴隷商の討伐』。奴隷商の居場所を知るスティープルにとっては優位な依頼となるはずだった。だがスティープルたちを待ち構えていたのは、彼女の持つ貴重品を欲しがる冒険者チームBFDだった。さらにBFDの依頼主である男のプレーン能力が発動し、スティープルは溺死寸前まで追い詰められてしまう。しかし、敵の能力の発動条件を見極めたことで形成は逆転する。

 依頼を達成したスティープルは報酬として拠点となる邸宅の所有権と財産を手に入れ、さらに使用人のマルル、執事のレサルタを雇うこととなった。こうして生活基盤を確保したスティープルの、パーチメント王国での暮らしが始まるのであった。




主要人物紹介


スティープル

 ヴェラム王国出身。生まれつき声を出せない失声の少女。腰まで伸びた緑色の髪と、母の形見であるピンク色のコートがトレードマーク。『ヴェラム王国滅亡の要因となる禁忌』と何らかの関係性を疑われていたが、やがてそれが『封印解除の鍵』と判断されたことで、国家反逆罪で追われる身となる。

 プレーン能力は口を生成できる『ファングド・ファスナー』。噛みつく力は強く、人間の身体程度であれば容易に重症を与えられる。スティープル自身に生成することで喋れるようにもなるが、質問に対して本音を勝手に喋るようになってしまうため、本人の望む会話はまだまだお預けだ。


チョキ

 奴隷商に捕まっていた少年。栗色の短髪と透き通った青い瞳が特徴。人を傷つけないのが特技で、生まれてから一度も生物(蚊や蟻といった昆虫など)を殺害できた試しが無いと言う。二重人格者であり、別人格のシザースが表に出ている時はチョキの意識は無い。

 常にのんびりとした口調で話し、危機感が無いと指摘されることもある。ただし、それはシザースに絶対の信頼を寄せているためであり、チョキ自身がトロいわけではない。


シザース

 チョキのもう一人の人格。瞳の色は赤で、それ以外は見た目や口調などチョキと同じ。別人格のチョキが表に出ている時でもシザースの意識はハッキリしている。

 性格面ではチョキと真逆で、人を傷つけるのが特技であり生き甲斐でもある異常者。それでもチョキと同様に生まれてから一度も生物(人間など)を殺害できた試しが無いと言う。

 プレーン能力は二本のサーベルを顕現させる『デュアル・ブレード』。この剣で斬り殺された生物は蘇り、シザースやチョキの命令に従うようになる。生命を持たない物質の場合は殺す必要が無く、ただ斬るだけで同じようになる。


マルカ・ドール

 通称マルル。ナギナタ邸に務めるメイド。足元まで伸びた緋色の長髪が特徴。スティープルいわく『カラフルなフルーツ』。元はナギナタ老の元で働いていたが、ナギナタ老の没後はスティープルたちに雇われ、家事全般を担当している。


レサルタ・ドール

 ナギナタ邸に務める執事。茶褐色の燕尾服に身を包む。スティープルいわく『ビターなチョコレート』。マルカ・ドールの兄であり、彼女と同様に現在はスティープルたちに雇わている。肩書は執事だが医師、庭師、弁護士も兼用している。


ウェバリー

 パーチメント王国のギルド・カートリッジで受付を務めるメガネの女性。規律や損得を重んじる性格で、不誠実な相手には容赦しない。


チームBFD

 パーチメント王国で名の売れ始めた冒険者チーム。リーダーのブロード、肉体派のデウム、風使いの紅一点ファインで構成される。


ヴェラム王国

 国王ヴェラム七世の統治する王国。王国兵団を束ねるフラットクリンチ、炎使いの女兵士ジョイント、自信家の美青年リムーバ、驕慢な老術師タッカーなどが所属する。


ヴェル・ミリー

 ヴェラム王国の滅亡を予言した謎の女性。朱色と金色を基調とした容姿は紅葉の山とも評される。ヴェラム王国兵を凌駕するほどの魔法の使い手。

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